えにーでいなう

午後8時の訪問者のえにーでいなうのレビュー・感想・評価

午後8時の訪問者(2016年製作の映画)
3.7
ダルデンヌ兄弟の存在を知らなかったのだけど、プライムでたまたま見つけて予告編が面白かったので見てみました。

とある町の若い女医さんの身に巻き起こる事件。人が一人死ぬというくらいの、人生の中でも割と大きな部類には入る。そんな事件が起こる。

この事件をキッカケに物語が動きはじめる。この映画は、その事件の後の彼女の生活を1ヶ月くらい切りとった作品だ。

考えてみれば、この出来事をきっかけに色々なことが変わる。潰れる予定だった診療所は残り、医者を諦めた研修医はどうにか復帰。彼女自身も、事件の真相を追う中で危険な思いもするけどどうにも追うことをやめられない、そんな自分の頑なな意思を、他でもない自分が一番見つめしていたのではないかと思う。
自分が人として、医師としてどのような存在になりたいか、この街で誰のために生きていきたいか、を静かな物語の中で捉え直していく。そんな姿を監督は観客に届けたかったのではないか。