午後8時の訪問者の作品情報・感想・評価

午後8時の訪問者2016年製作の映画)

La fille inconnue/The Unknown Girl

上映日:2017年04月08日

製作国:

上映時間:113分

3.4

あらすじ

診療受付時間をとっくに過ぎた午後8時に鳴ったドアベルに若き女医ジェニーは応じなかった。その翌日、診療所近くで身元不明の少女の遺体が見つかる。それは診療所のモニターに収められた少女だった。少女は誰なのか?なぜ死んだのか?ドアベルを押して何を伝えようとしていたのか? あふれかえる疑問の中、なくなる直前の少女の足取りを探るうちにジェニーは危険に巻き込まれて行く。彼女の名を知ろうと必死で少女のかけらを集…

診療受付時間をとっくに過ぎた午後8時に鳴ったドアベルに若き女医ジェニーは応じなかった。その翌日、診療所近くで身元不明の少女の遺体が見つかる。それは診療所のモニターに収められた少女だった。少女は誰なのか?なぜ死んだのか?ドアベルを押して何を伝えようとしていたのか? あふれかえる疑問の中、なくなる直前の少女の足取りを探るうちにジェニーは危険に巻き込まれて行く。彼女の名を知ろうと必死で少女のかけらを集めるジェニーが見つけ出す意外な死の真相とは――。

「午後8時の訪問者」に投稿された感想・評価

ゆうや

ゆうやの感想・評価

3.8

このレビューはネタバレを含みます

診療時間もとうに過ぎた午後8時。小さな診療所で代診をしているジェニーは、研修医を嗜めている最中に鳴った呼び鈴に応じなかったが、その翌日、呼び鈴を鳴らした少女は遺体で発見された。自責の念から内定していた栄転を断り、診療所勤務を続けながら、少女の身元探しを始めるジェニーの「医師としての日常」を淡々と静かに描きながら、少しずつ事件の真相に近づいていく。

時間外とはいえ、診療所の呼び鈴を無視したジェニーは、ビジネスライクな冷たい医師かといえば、決してそんなことはなく、十分に仕事熱心で患者想いであることは冒頭から描かれる。呼び鈴に応じなかったのも、研修医を窘めている最中だったからであり、もっと言えば『患者に寄り添い過ぎて、冷静になれなくなっている』という内容でさえなければ、扉を開けていたんじゃないかと思う。

ひと目で移民の娼婦とわかる少女のことを思い、そんな彼女の帰りを待っているかもしれない人がいるかもしれないと、自分のキャリアより少女の身元調べを優先するジェニーの決断と行動は馬鹿げているように見えるかもしれない。しかし、それは人間らしくあるための大切な決断であり、ささやかだが踏み出すのには大きな勇気が必要な一歩だ。

ダルデンヌ兄弟には、そういう決断をクライマックスにした作品が多いが、今作ではその決断の先を描いている。警察から少女の身元を教えてもらい、事件の真相も判明したが、ラストでジェニーは意外な人物からの告白を聞く。それは、大切な決断をした彼女だからこそ導き出せた真実であり、そこから生まれた優しさこそが、ジェニーが本当に求めていたものだったのだろう。
始まって2秒で「あ、アメリカ映画じゃない」って気づくくらいの雰囲気(察して)
BGMなくて主人公の心情もよくわからなくて伝えたいこともわからない。
眠くなった
love1109

love1109の感想・評価

3.9
ダルデンヌ兄弟は映画の神様に選ばれた二人だ。彼らが描く映画には、人間の感情が溢れ、観る者は、その感情に揺さぶられ、やがて、胸を締めつけられる。良心の呵責からくる誠実さや、人を思いやることで生まれるやさしさ。この映画の主人公のように、私たちを突き動かすものが、憎しみや怒りではなく、そのようなものであって欲しい。
luke

lukeの感想・評価

2.6
国柄なのか見せ方と感情表現が独特。邦画でやって欲しい。
Katongyou

Katongyouの感想・評価

3.4
普通によかったでんですが、なんだか大人しいなぁと感じてしまった。でも最初はどうかと思ったが主人公の女医さんには見習うべき点が沢山あったなぁ。偉い人だ。

このレビューはネタバレを含みます

~償いたいという気持ち~

社会問題を鋭くえぐるダルデンヌ兄弟監督。今回は移民問題を契機としています。彼らは来日インタビューの中で、ジェニーが扉を開けないのは欧州が移民に対して扉を開けないのと同じ、と言っていました。この作品ではここからそのことに対して償いたいと願う人間の存在を描きました。それはそのまま、そうあって欲しいという彼らの希望なのだと思います。

ジェニーは少女に償いたいという気持ちから、大病院での就職を断り診療所を継ぎ、彼女の死の真相を知るべく情報を集め始めます。
診療しながら少女のことを聞くうちに、ジェニーの真剣な思いに患者たちが影響を受け始め、協力し始めるようになります。その結果、知った事実とは……

BGMもなく、終始感情を抑制した演技で、淡々とした印象なのですが、その分見ている側の感覚も研ぎ澄まされて、ハラハラドキドキでした。

そして最後、ジェニーが心の重荷を少し下ろせた時、大きな安堵感を覚えました。
nlmage

nlmageの感想・評価

3.3
ネットにて鑑賞。

主治医制度を導入しているフランスでは、地元住民には街のお医者さんが担当医として従事してくれる。だから、急な疾患等で患者に何かあれば夜間だって診察してくれます。

物静かで真面目な主人公の女医は、日頃、街のお医者として小さなクリニックで診察する一方、依頼があれば往診も黙々とこなしていく。
働き者でエライな〜と感心させられますが、そんな素晴らしい彼女さえ悩ませる、後悔という名の罠!

いやいや、立派ですよ。仕方ないですよ。

って見ていて思うんだけど、彼女はこれじゃいかんと奮起して後悔の回収に奔走するんですね。もちろんお仕事の傍らなので、時間外の救急電話もジャンジャン掛かってくるわけです。
いや、エライな〜(2回目)

彼女の、ただ真実を求める誠実な目に偽りやゴマカシは敵わないです。静かに燃え上がる行動力に胸を打たれました。
suke18

suke18の感想・評価

5.0
公開当時、『午後8時の訪問者』というミステリー調な邦題とポスターを見て、ダルデンヌ兄弟がミステリー?、と原題を調べてみたら<<la fille inconnue>>とあり、安堵したのを覚えている。その安堵からか結局劇場へは行かず、レンタルにて先ほど鑑賞。

序盤で、診療医が主人公であることを確認し、ついに労働階層(時にはそれ以下)に密着することをやめたのかと驚く。が、それは早合点の誤り。(ちなみにサンドラの週末だけは観てないので除外)
ダルデンヌ兄弟はハネケ同様、キャリアの初めからひたすら同じテーマを描き続けているが、形式は首尾一貫してドキュメントの対象を直接的に映すというものだった。その点、今作は明らかに形式における転換が見られる。
主人公の医療センターへの内定を祝すパーティによって示されるのは、診療医とエリート医の立場の違いであり、フランス社会で(ベルギーがもし同じような制度ならば、、)この差は歴然とある。診療医が周辺住民の主治医として、訪問治療まで行うのに対し、医療センターの医者は病院のなかでしか患者と接さない。患者と接する状況の相違は、当然全く異なるリアリティを形成するので、彼女の生活様式は医療センターの医者たちのそれ(より身近に捉えるならば日本の開業医のそれ)と比べると相当に質素である。(賃金の差だけではないということ)
このように二つの社会階層を往来する立場であるところの(非ブルジョワ地区の)診療医を、主人公に据えるというダルデンヌ兄弟の判断は、単にシナリオ上のバリエーションでは全くなくて、むしろ今まで描いてきた社会階層(およびそれを内包する社会全体)を直接ではなく、間接的に浮き彫りにする、という形式面で劇的な判断である。つまり、今作でフォーカスが当てられるのは、取り囲まれた状況へ反応する主人公の内面ではなくて(ロゼッタのような接写は少ない)、主人公の駆動する型としてのミステリーによって彼女が接近し(接近する、ということはデフォルトでは離れている)、垣間見ることになる、ある世界 ——「午後8時の訪問者」であるところの「見知らぬ/身元不明の少女」(=“la fille inconnue”)や(一部の)患者たちが属する世界であって、橋の向こう側(貧困地区?)の世界(社会) ——である。
昨日観た『71フラグメンツ』に特典として収録されていたインタビューで、ハネケは、何か描きたいもの(神秘、美、暴力、etc.)がある場合、それを直接に描くよりも間接的に描いた方がいいと、あるいは、現代においては、かき集めた断片(それぞれには辛うじて理解可能な)によって不在の対象の輪郭を描くこと、これしか本来的には出来ない、というようなことを述べていた(多少私の解釈が入り込んでいることは断っておく)。私はそれに心底同意したし、今日、なんの巡り合わせか『午後8時の訪問者』を観て、ダルデンヌ兄弟もこれまでの"辛抱強い"フィルモグラフィを経てそういう境地 ——ある社会をより正確に、痛烈に描き、証言するため、二つの社会の間に立つ人間の間・階層的視線を通す—— に至ったのかなあ、と勝手に感慨に浸った。
結局のところ何が言いたいかと言うと、不在の答え(訪問者の名前)を求める主人公というミステリーの形式は、もう一つの社会の真実(我々の社会に不在の)を、私たちの社会(ダルデンヌ兄弟の映画を見るよな階層)に突きつけようとする意思の最善な形式への探求に対する強力な答えになっていること。だからこそ、『午後8時の訪問者』という邦題も意外と悪くない、ということである。
ミステリーではなくドキュメンタリー
先生の視点から語られた物語
だから登場人物の人間関係やら設定やらが理解できない、私とははじめてお目にかかってるのだから
内向きに先生の心のなかだけを見つめたら、悔しさや悲しみが溢れていることに気付くのだけど
Bee

Beeの感想・評価

1.5
あの時、こうしていれば。
ああやっていれば。

その後悔するって気持ち、誰もが経験することだから他人事に思えなかった。
私だったら?って思うと、何も言えない。

彼女の責任感、諦めなかったことはとても良かったです。
謎が解けたとしてスッキリする形じゃなかったとしても、人それぞれ捉え方は違う。
考えさせられる。

関心を持つか持たないかで道が分かれる。
複雑です。。
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