みゆき

わたしは、ダニエル・ブレイクのみゆきのレビュー・感想・評価

4.0
ダニエルとシングルマザーの家族の生活がリアルに描かれ、貧困問題と雇用、福祉制度の在り方について深く考えさせられる映画。
人に優しく、大工として長年働き続けてきたダニエル。しかし心臓の病を患い働くことを医者から止められ、国の援助を求めようとするが、煩わしい手続きや複雑な制度によって援助が受けられず生活が苦しくなっていく。
嫌な予感が的中した最後の展開は、社会的弱者への厳しさや冷たさを強く感じると同時に、現実はそういうものだよなと腑に落ちる部分もあった。決して他人事ではないし、今後その壁にぶつかることがあるかもしれない。ダニエルが壁に書いた主張と最後の言葉が胸に残る。
これはマニュアル化されたお役所仕事が悪いという単純な話では片付けられない。援助や支援を必要としている人が受けられていない、制度が機能していないことが問題。複雑すぎる制度そのものを見直さなければいけないけれど、どう改善するのかという難しさも思い知らされた。
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