新宿武蔵野館にて。
59歳の大工が心臓病を患う。
国の制度を受けようとするが、助けを求める手を払いのけるような福祉のシステムにより苦しめられる。同じ思いをしているシングルマザー・ケイティとその子供との交流をまるでドキュメンタリーのような現実味のある見せ方で釘付けにする、社会派映画。
どこの国でも同じなのか、と。
空は晴れず、雨ばかり降る。
貧困層にはより冷たく感じる雨である。
福祉を否定するわけではないが、本当に求めている人に対して足りない部分がどこの国もあると思う。
実直に生きてきた人間に対する最後の仕打ちがこれかと。
限りなくリアルに近いフィクション。
フードバンクで泣くケイティを観て嗚咽が漏れた。
清々しい気持ちには一切なれないが、観るべき映画だと思った。
最後のスピーチにタイトルの意味が込められている。
犬ではない、1人の人間である。