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わたしは、ダニエル・ブレイクのKのレビュー・感想・評価

3.8
ニューカッスルの現代のデジタル社会、お役所仕事、社会の弱者に優しくない制度の問題を切る。

弱者やデジタル化についていけない人たちを置いてきぼりに、どんどん決まりや便利さだけを求めて、国民を守るために作られたはずの社会制度は進化(退化)していく。そしてそんな社会も、"自分で金を生まなきゃ価値がない"と、事情を抱えて働けない人たちに対する目は冷たい。資本主義が生んだ、冷たい格差社会。

そんな置いてきぼりの人たちは善良な市民だとしてもそんなの構わず見捨てられ、彼らはただただ、当然の権利を与えられる機会を失い、人としての尊厳をなくし、葬られていく。

わたしは、ダニエル・ブレイク
このタイトルが表す重み。真面目に生きた末がこれではいたたまれない。日本の社会だってきっと一緒だ。
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