ゆっけ

わたしは、ダニエル・ブレイクのゆっけのレビュー・感想・評価

4.5
今年のグッとくるおじいさん映画ベスト2。

1位:『ありがとう、トニ・エルドマン』
2位:『わたしは、ダニエル・ブレイク』
3位:『ジーサンズ はじめての強盗』


第69回カンヌ国際映画祭パルムドール(最高賞)受賞した本作。

40年間大工を勤めてきたダニエルは、心臓病を患い、医師から労働を止められてしまい、
仕方なく生活保護の受給を求めるか、

援助を受けるためには求職活動をしなくてはならないという、よく分からないことを強いられる。
不服申し立ても、満足に受けることもできず、
それでも、めげずに慣れないパソコンを覚えるダニエルは、真面目な人だなぁというか、彼と関わる人たちと接する姿を見て、人柄が伝わってきます。


生活保護受給の問題。
不正受給はいうまでもなく、失くすべく厳しくしていくべきですが、
その反面、本当に必要とする人が、助けられないシステム。

理不尽な社会制度に風刺をこめた一作。


「わたしは、ダニエル・ブレイク。人間だ、犬ではない」
という叫びが、多くの人の勇気となったことはいうまでもありません。

最後のケイティがダニエルが用意してきた文章を読み上げるシーンは涙なしに見られないですし、誰の心にも残る言葉が詰まっています。

隣の誰かを助けるだけで、人生は変えられる。
生きる尊厳を。隣人に親切にする気持ちを。

お金がなくても、何を捨てても変えれない、生きるにあたって大切なもの。

役所の人は助けなくても、きっと、近くに自分を助けてくれる人、
そして、自分が助けられる人がいるはず。

そんな生きるにあたって、大切なことを問う傑作でした。