死に物狂いで助けを求める人々に対する国家の官僚的な対応
それは明らかに残忍だとケンローチは怒りこの作品にその想いを込めている
国家の煩雑化した援助体制を丁寧に描く一方で本作のメッセージはシンプルだ
「隣人を助けよう」
けれどこの簡単な言葉を実行するのが難しくなってきている
本作を代表するであろうあのシーン
実際にやったら、きっと冷笑されて、ただ警察を呼ばれて終わるんだろう
基本的に突き放した人物描写をするケンローチがあれはえらく肩入れしてたと思う
今や人々が貧困に達観しつつあるなかで、怒りをきちんと直球でぶつけてくるケンローチの根性は流石だ