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わたしは、ダニエル・ブレイクのkeitaのレビュー・感想・評価

3.6
この映画でも言ってる寝室税ってイギリスの福祉改革の一環で、生活保護(のような支援制度)を受けている人が使用していない余分な寝室を持っている場合、生活保護保護の支給額が減額される制度たそうです(問題点ありありの制度だと思うので詳しくはネットで調べてほしい)
推測だけど、この制度が可決されるとき、生活保護を受給していない、中流以上の人は問題にしなかったと思うんだよね。自分に実害なさそうだし。
例えば今の日本でこの映画みたいに福祉制度にアクセスしにくい現実があって、その困っている人たちがアクセスしやすい制度に変えたとしたら、それによって多くの予算がかかり、中流以上の人たちにも税の負担が増えて消費税とかも増えるかもしれない。
そうなったとき、自分が身を削ってでも困った人たちを助けようとすることができるのか?税金増えるのはヤダ、貧しいのは自己責任って言わないでいれる?
結局この映画で問題として言われているような制度の改善をするには、金銭的に余裕のある人が身を削って助けるしかないけど、この映画にはそのロールモデルが登場しない。 だからこの映画の感想も結局どうしたら良いの?って成りかねない。
悲しい映画だねとか、隣人愛が大切、とかの感想で終わる映画はただの貧困ポルノにしかならないと思う。ちょっと気持ちよくなって来週には忘れてるよ

この映画で言っているのは、こういう現実があるよってとこまで。
こっから先どうしたらいいか考えられる? 行政がなんとかしてくれる? 福祉改革のために税金を増やそうとする政治家に投票できる? 貴方は彼らを助けるために自分の身を削れる? 全部自己責任なの?
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