つるばみ色の秋津凡夫

ラビング 愛という名前のふたりのつるばみ色の秋津凡夫のレビュー・感想・評価

1.6
不自然な環境下での自然な愛を描いた作品。

動きが少ない中で役者達の表情が見事に活きている。
脚本については、3人もの子宝に恵まれ、数は少ないが理解者・協力者もおり、衣食住に不自由無く暮らせているにも関わらず、ミルドレッドが檻と例えるワシントン州での生活の息苦しさが、此方に伝わる様描写されていなかった為、彼女が家族の危険を顧みずに荷物を纏める行為が我儘かつ感謝の気持ちが足りない様に思え、その後の人の目に怯えながら暮らす生活こそ檻の中であり、子供達に悪影響では無いかと感じた。

我が国において異人種間での婚姻問題を考える事は大変難しいが、現代社会の閉塞感を檻と捉えるならば、その檻の中で地に足を付け穏やかに歩む事こそ我々の戦いであると感じられた。