ラビング 愛という名前のふたり(2016年製作の映画)

Loving

上映日:2017年03月03日

製作国:
  • アメリカ
  • / 上映時間:123分
    監督
    ジェフ・ニコルズ
    脚本
    ジェフ・ニコルズ
    キャスト
    マイケル・シャノン
    ジョエル・エドガートン
    ルース・ネッガ
    マートン・ソーカス
    ニック・クロール
    ビル・キャンプ
    デヴィッド・ジェンセン
    あらすじ
    ずっと、そばにいた。ずっとそばにいたい。 大工のリチャード・ラビングは、恋人のミルドレッドから妊娠したと告げられ、大喜びで結婚を申し込む。 時は1958年、ここバージニア州では、異人種間の結婚は法律で禁止されていた。だが、子供の頃に出会って育んだ友情が、愛情へと変わっていったリチャードとミルドレッドにとって、別れるなどあり得ないことだった。二人は法律で許されるワシントンDCで結婚し、地元に新居を構えて暮らし始めるが、夜中に突然現れた保安官に逮捕されてしまう。二人は、離婚か生まれ故郷を捨てるか、二つに一つの選択を迫られる──。

    「ラビング 愛という名前のふたり」に投稿された感想・評価

    リリー
    4.0
    当時の人種差別をテーマに、ラビング夫妻の実話を描いているが、物語が静かに淡々と進むのでかえって好感が持てる。
    その間ずっと、リチャードの、ミルドレッドに対する強く穏やかな愛情は微塵も揺るぎなく、観る人の心を熱くする。また、ミルドレッドの、リチャードに対する強い信頼にも感銘を受ける。
    このような、強い意志を持つ一般の人々が、世界を変える力があるのだと実感できる。
    いやな感情とともに忘れられないのは、保安官がリチャードに、異なる血は混じり合ってはいけない、それが自然の理だ、と言ったこと。利己的で非現実的な排他主義は怖い。
    jocx
    3.5
    ロケット🚀が月を目指している時代になっても、州の法律で違う人種間の結婚を認めてもらえない、白人の夫と黒人の妻。
    どんなことがあっても妻を守ると違う夫。ケネディが司法長官の時代、妻が送った一通の手紙から、2人は未来に向かって歩み始める。2人には司法と戦う覚悟と決して別れないという決意。誰もが営む夫婦の睦じい姿さえ、避難の対象となる。しかし、次に繋がる人の為に諦めない。
    淡々と進む映画なので、飽きてしまうかもしれませんが、実際にあった出来事だけど、本人がヒーローになることを望まなかったので、大げさに描かれていないところが帰ってリアルです。夫婦に感謝している人たくさんいると思います。
    Sios
    4.1
    愛する権利の邪魔をする、無粋にもほどがある法律。

    法をくぐり抜けて結婚した白人の夫と黒人の妻が、困難に直面。当たり前の権利と生活を静かに主張し、取り戻していく過程に鳥肌。
    土地を買ってからの時間を思ってしまう。

    真っ直ぐな眼差しがチャーミングなルース・ネッガと、悩みながら包み込むジョエル・エドガートン。
    オープニングのふたりの佇まいから美しい。
    やっと観られた〜!!ほんと今更ですかという感じですが、ようやく本作も機内にて鑑賞。

    異人種間の結婚が許されなかった1950年代のヴァージニア。大工のリチャードは、アフリカ系アメリカ人の恋人ミルドレッドから妊娠を告げられる。めでたく結婚をした2人だったが、世間はそんな2人に冷たい眼差しを向ける。そしてある日、彼らの家に突然警察が押し入り、2人は逮捕されてしまうのだった...。

    あらすじを書いているだけで辛いこのお話。実際にあった出来事だなんて、本当に信じがたいくらい悲しいこと。世の中にはいろんな恋愛の形があるけれど、どうしてこの2人が結ばれることに色んな抑止力が働かなければならなかったのかと、当時の世相を疑います。
    思ったよりも逮捕されてからのお話が長くて、結構な長い歳月の2人を描いています。子供も大きくなり、新たに子供も生まれて2人の愛も深まる一方で、どうしてもぬぐいきれない人種差別の壁。そこに全力で立ち向かう夫婦の姿に、必ず鼓舞されること間違いなし。
    ドラマチックだったり、オーバーな演技は一切なくて、主演のジョエル・エドガートンも寡黙な夫役、ルース・ネッガもひたむきに夫について行く妻役を静かに熱演していて素晴らしかったです。セリフが少なめで、2人の表情だけのシーンが多くて逆にそれもよかった!ジョエル・エドガートン前から気になっている俳優さんの1人だったんですが、個人的に本作の彼がベストでした。
    ルース・ネッガは本作でオスカーにノミネートされましたが、結婚したての頃の弱々しくて怯えた表情と、戦う決意を決めた頃のたくましい表情がまるで別人。綺麗だしとっても素敵な女優さんですね。

    途中やや中だるみするシーンもありましたが、総じて落ち着いた雰囲気の作品で集中して観られました。
    全てが終わった後、エンドロール前に出るとあるテロップで号泣してしまいました。ネタバレになるので言えないのですが、とにかく言葉にできない気持ちになります...。どうか幸せになってほしい、最後まで2人を観ながらこの思いが胸から離れませんでした。
    マイノリティは肩身を狭くしろ、という風潮が未だに充満している昨今、逃げる事と主張する事を考える。
    人が人として生きる事を邪魔する人間には本当に辟易するし、最近増えてきているのも辛い。
    2人には幸せになって欲しいと終始願う。
    それは今でも戦っている人達も含め。
    『映画秘宝オールタイム・ベスト10究極決定版』という本で、脚本家の小中千昭氏がジェフ・ニコルズを紹介していたので見てみた。小中氏はプロフィールに使う欄をジェフ・ニコルズの紹介に使っていたので珍しかった。『ミッドナイト・スペシャル』も見る予定。

    この映画は実在のラヴィング夫妻をもとにした話。権利を求めて戦う話って、主人公が動いて事態を解決しようとする印象がある――『エリン・ブロコビッチ』とか――んだけど、これで権利を求めて実際に行動するのは夫妻ではなく弁護士たちで、映画では夫妻がどうやって故郷から追い出されたか、どんな暮らしを送ってきたのかを描いている。夫妻は裁判の傍聴にも行かない。激論を交わしたり、デモしたりはしない。生活の様子や子育ての悩みや環境の変化に苦労する様子が描かれて、怒ったりとか自分たちの苦労を周りに訴えたりしない。だけど、弁護士たちの主張が夫妻たちの生活にボイスオーヴァーする場面で、いままでの生活の様子がこの訴えのたしかな根拠になっているのが分かる作りになっていて、ここにすごく感激した。

    ジョエル・エドガートン演じるリチャードは、怒ったりせずにいつも渋い表情だけど、それがすごくよかった。むやみやたらに叫んだりしないのが個人的に新しかった。
    ルース・ネッガのミルドレッドは、多く語らないけど、つかまってでも故郷で暮らそうとする姿が意思を感じて、この映画全体に言えることだけど、無駄に喋ったりしないで、画で語ろうとするのがとてもよかった。

    『MUD』にはピンと来なかったけど、あれも家族の物語だったので、今見直すと面白いのかもしれない。小中氏は映画作家と書いていたのは、全作品で共通するテーマがあるからなのかなとおもった。

    あと関係ないんだけど、この当時のレンガ家屋って鉄筋入れないんだな。あとレンガ家屋って基礎を作らずに土地の上にレンガを置いてたので、どんな作りなのかちょっと興味が出た。レンガを積み重ねるのも、彼らの行動と重ねたりしてるんだろうか。

    マイケル・シャノン、アラーノ・ミラー、ニック・クロール、マートン・ソーカスも目立たないけど見てて好きになる登場人物だった。この映画に出てくる人物って皆キャラが立ってる。マートン・ソーカスは見ている間ビリー・ドラゴと間違えてた。
    matskei
    4.0
    ジェフ・ニコルズ監督作品。この監督が描く家族が好きで、今回のこれも、実話なんだけど良かったです。
    異人種間婚姻が認められていなかった時代の夫婦のお話。いろんなノイズに戸惑いながらも、お互いの愛情が揺らがなくて、じんわり感動。
    Mogurarger
    5.0
    人生が映ってた。
    普通の人種問題を扱った映画と違ってほのぼのした感じがあってよかった。弁護士が夫に最高裁の裁判官に何を伝えたいですかと言われた時にI love my wife.と言ったところが泣けた。これまた実話ででよかった。ここ3本の実話はどれも秀作。
    あえて社会派的に作り込むことを避けたらしいが、それが良かったかのかは不明。説教くさくなく、普遍的な日常を撮ることに重きを置いている。ひとつひとつのエピソードは劇的だが、ドラマティックな演出はしていない。故に、熱量が足りない、パワー不足にも思えてしまった。社会的なメッセージが中心にないにしても、愛の物語としても弱い。

    カメラをパシャパシャするマイケル・シャノン、かわいい。
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