みおこし

ラビング 愛という名前のふたりのみおこしのレビュー・感想・評価

3.6
やっと観られた〜!!ほんと今更ですかという感じですが、ようやく本作も機内にて鑑賞。

異人種間の結婚が許されなかった1950年代のヴァージニア。大工のリチャードは、アフリカ系アメリカ人の恋人ミルドレッドから妊娠を告げられる。めでたく結婚をした2人だったが、世間はそんな2人に冷たい眼差しを向ける。そしてある日、彼らの家に突然警察が押し入り、2人は逮捕されてしまうのだった...。

あらすじを書いているだけで辛いこのお話。実際にあった出来事だなんて、本当に信じがたいくらい悲しいこと。世の中にはいろんな恋愛の形があるけれど、どうしてこの2人が結ばれることに色んな抑止力が働かなければならなかったのかと、当時の世相を疑います。
思ったよりも逮捕されてからのお話が長くて、結構な長い歳月の2人を描いています。子供も大きくなり、新たに子供も生まれて2人の愛も深まる一方で、どうしてもぬぐいきれない人種差別の壁。そこに全力で立ち向かう夫婦の姿に、必ず鼓舞されること間違いなし。
ドラマチックだったり、オーバーな演技は一切なくて、主演のジョエル・エドガートンも寡黙な夫役、ルース・ネッガもひたむきに夫について行く妻役を静かに熱演していて素晴らしかったです。セリフが少なめで、2人の表情だけのシーンが多くて逆にそれもよかった!ジョエル・エドガートン前から気になっている俳優さんの1人だったんですが、個人的に本作の彼がベストでした。
ルース・ネッガは本作でオスカーにノミネートされましたが、結婚したての頃の弱々しくて怯えた表情と、戦う決意を決めた頃のたくましい表情がまるで別人。綺麗だしとっても素敵な女優さんですね。

途中やや中だるみするシーンもありましたが、総じて落ち着いた雰囲気の作品で集中して観られました。
全てが終わった後、エンドロール前に出るとあるテロップで号泣してしまいました。ネタバレになるので言えないのですが、とにかく言葉にできない気持ちになります...。どうか幸せになってほしい、最後まで2人を観ながらこの思いが胸から離れませんでした。
みおこし

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