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セールスマンのne22coのレビュー・感想・評価

セールスマン(2016年製作の映画)
4.1
2017年 劇場観賞44作品目

アスガー・ファルファディー監督最新作、覚悟して観たがやはり難しい。
ラストのギリギリまで読めない結末、複雑に配置されるメッセージ。多分全てを理解できていないとおもう。

イスラム映画の劇中で演じられるアメリカの資本主義を描いた戯曲の意味。
そもそも題名に込められた意図を考えるだけでも面白く、言葉では語られない、描写では描かれない部分に込められた想いがジワジワとスクリーンからにじみだし、捉えられ、観た後もねっとりとまとわりついて離れない。

日本人(私)からちょっと考えられないような決断をする人々、宗教や社会の違いによる考え方の違いの中のさらに人間一人一人の価値観の違い、、、果てない。
目に見えない社会への当たり前への諦めを感じたり、今の日本では珍しい地域の繋がりの強さ(良くも悪くも)や、家族の在り方など、ストーリーを通して提起される問題としては今までに観たファルファディー作品の中では一番深みを感じた。いや、重みかな。ずっしりと。。。

途中やや手ぶれにて酔いつつも、日常の風景と劇中劇の対比の写し方や劇中通して所々でポイントになるライト(スイッチ)の演出も興味深かった。

ルシネマにて、ほぼ満席の劇場でエンドロール後、明るくなった後の何とも言えない人々のあの「いやー、これは。。。」みたいな空気感、(勝手に)大好きです。

あとあの小さな男の子の破壊力、、、謎の生物(猫ちゃんなのかな)ひげ多い〜〜萌〜〜。
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