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マリアンヌのzunzunのレビュー・感想・評価

マリアンヌ(2016年製作の映画)
3.8
ブラットピットも随分老けたように思えたが、我を忘れ血眼になるブラットピットの姿は意外と真新しい。
作品の成否の決め手は、マリオン・コティヤールとブラッド・ピットの2人が様になるか否かがだと思う。初めて出逢ってからダンスを踊るまでの流れが素晴らしく、アンジー&ブラピ級に様になっていた。
お話の設定上フランス人じゃないと無理なのだが、もしアンジェリーナ・ジョリーがマリアンヌ役を演じていたらと想像してしまう。きっと私生活の背景が邪魔をして違う見方をしてしまうのだろう。

サスペンス要素としてマリアンヌが謎の存在だけに、初見はどうしてもブラット・ピット演じる諜報員マックス目線でストーリーを追ってしまうのだが、マリアンヌの気持ちに寄り添って観た方が"切なさ"がより増す気がする。
"感情では嘘をつかない"、"これが私の本当の姿"などのマリアンヌの何気ない台詞の理由が分かると、その台詞は心に刺さる。またマリオン・コティヤールの幸が薄そうな美しい顔立ちが切なさを助長させる。
絵になるカップルは悲劇性に美しさを感じさせるので、そう言った所は良い意味でズルい。

主演2人に気をとられて忘れてしまいがちだが監督はロバート・ゼメキス。若干の物足りなさ、最後の蛇足はいらないと思う部分はあったが、確かな手腕の作品だと思う。
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