じゅ

マリアンヌのじゅのレビュー・感想・評価

マリアンヌ(2016年製作の映画)
4.0
派手な映画ではない。
ただのラブストーリーだった。
でも好きだ。

前半は少し退屈なくらい順調で幸せの絶頂。それが一変して愛情と不安、苦悩、焦燥。信じたい気持ちと、それでも疑ってしまう自分に気が気じゃないマックス。真偽を確かめるすべを見つけたら、もう止められない。そして明らかになる真実。

展開がシンプルな分、マックスやマリアンヌの心情描写に力を注がれていたのがよかった。
昨今のオーバーアクションすればウケるみたいな邦画とは真逆の演出で、ちゃんとした演技というものを観た気がする。
マリアンヌがアナを抱えて車で待つシーンなんか、なかなかにハラハラさせられた。

原題は Allied で、邦題がマリアンヌ?と思って調べたら、Allied には、第二次世界大戦における連合国の意味と、似た者同士という意味があるらしい。ともに「スパイだった2人」を以って似た者同士とも呼べるけど、ぼくとしては「愛する者のために自らの命を懸けた2人」を以って Allied なのかなと思う。どこまでも似た者同士だったけど、2人のいた場所が「連合国」側だったから、あんな最後になったんだろうな。

衣装にも凝っているらしく、映画カサブランカへのオマージュもあるらしい。
じゅ

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