きぬきぬ

ヒップスターのきぬきぬのレビュー・感想・評価

ヒップスター(2012年製作の映画)
4.0
頑固で傲慢で、でも繊細で不器用で母親の死が受け入れられていなくて、余計に孤独感招いてしまうような弱い男が痛々しくて、なんかもう内省的な気分になってしまうし、有難いチャーミングな友人と素敵な3人の妹たちに観てるこっちまで癒されるわ。

母の死から実家を出て、母の故郷のサンディエゴに来たシンガーソングライターの青年は、発表した音源がインディシーンで評価され、ちょっとした有名人扱いに戸惑いと苛立ちを感じてる。彼の音楽はとても良い。けれど立ち止まり先へ進めない彼はクソ野郎になってるから、自らを孤独に追い込んでる。傷ついてるときにさらに自分を傷つけるような、そんな感覚、わかってしまうから余計辛くて痛々しい。
一人でどん詰まりになってる彼を救い癒すのは、兄が大好きな3人の素敵な妹たち。物凄く羨ましいくらいに仲が良くて、兄も父親も家族を理解しているまるで天使みたいで、その兄と姉妹の関係がとても自然でとても良い!何気ない日常的な、何気ない会話が優しく愛おしい。
失った大切な人への追悼で家族の絆が蘇る。とても繊細で内省的ではあるけれど、どうにか前を向けるかな~というまでをとても自然体に描いてる。
ほんと彼の背中を押してくれる良い友人にも恵まれてるんだ。
痛いけれどとても愛しい作品。

音楽も本当に良くて「i am not a hipster」のサントラ欲しい-!
きぬきぬ

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