ヒップスターの作品情報・感想・評価

『ヒップスター』に投稿された感想・評価

オヨヨ

オヨヨの感想・評価

3.5
監督の「ショート・ターム」が好きだったので、前から気になってた作品。

ちょっと売れ始めたシンガーソングライターのブルックが主人公。
前半アーティスト気取りの嫌な奴って思わせて置いて、3人の妹達の登場辺りから雰囲気が変わる。ただ、ブルックも入れてまるで四姉妹のような雰囲気なのはちょっとびっくり。家族間の距離がめちゃくちゃ近い。監督のルーツに日系ハワイの人(母)が居る事がわかりちょっとだけ納得。

ドラマチックなことはあまりないけど、学校で歌うシーンは良かったなぁ。

主人公が好きか嫌いかで評価は変わるかも。私は割と好きだった。曲が好みだったし、歌も良かった。

マネージャーのクラークのキャラは微妙にうざくて苦手なタイプだった。
2021年鑑賞113本目。
『シャン・チー』のデスティン・ダニエル・クレットン監督の原点ここにあり。そばにいてくれる人がいる、それだけでいい。

MCU最新作『シャン・チー』でデスティン・ダニエル・クレットン監督に興味が出たので過去作を鑑賞していきました。

シンガーソングライターである「ブルック」とその家族が「母の死」を乗り越えていく物語。

この作品で特に良かったのはブルックの周りの登場人物たち。
まず、ブルックの家族。その中でもブルックの3人の妹たちがとても良かった。兄弟4人が本当に仲が良くて、お兄ちゃんであるブルックのことが大好きな妹たち。みんな美人だし。そして母の葬式以来疎遠になってしまったブルックの父親も良いキャラだった。
さらにブルックの親友であり、自称マネージャーでもある『クラーク』も、アーティスト志望でちょっと変わってるんだけど、明るくて良いやつで、好きになります。

そんな魅力的な登場人物たちによってブルックは「母の死」から立ち直っていくわけですが、この「母の死」と「父親との関係」が物語のキーになっています。その辺は『シャン・チー』とのわかりやすい共通項でもあります。

また、本作とその他の作品も見て、デスティン・ダニエル・クレットン監督が描こうとしている共通のテーマが見えてきたのですが、それをお話しするために本作の冒頭の流れを踏まえながら、ざっと説明したいと思います。


以下、知っていても十分楽しめますけど、ネタバレを含んでしまいますのでご注意ください。



物語冒頭、ブルックが自身のライブのステージに立っているのですが、曲の途中で具合が悪くなり、トイレで吐いてしまいます。この時点で「こいつ(ブルック)大丈夫か?」って感じで、情けない主人公な印象を受ける。そこから一週間前に時間が遡って物語が展開するんですけど、どうやらブルックは家族と離れ、一人暮らしをしながら自分の部屋に閉じこもって作曲をしているということがそこで描かれます。
そしてブルックのマネージャーであるらしいクラークから連絡があり、その日が地元のラジオの出演日だということを告げられる。そのことを忘れていたブルックは渋々ラジオに出演することに。
パーソナリティが色々質問をするのですが、そっけない態度をとるブルック。聞くことがなくなったパーソナリティはブルックの「母の死」について聞いてしまう。それにキレたブルックはさらに態度を悪化。スタジオを追い出されてしまう。

つまり、ブルックは「母の死」をきっかけに「自分を閉じてしまった」んですね。だから基本的に誰とも絡もうとせず、自分の部屋でひたすら作曲をしているわけです。クラークをマネージャーとしてあんまり認めていないのも、「閉じている」からなんでしょう。
この「閉じている」主人公の状態は「シャン・チー」も同様です。本来の自分を隠し、開かない。

そして印象的なシーンとして、ブルックが部屋でYoutubeで「東日本大震災の津波」の映像を見ているのがあります。本作が公開されたのが2012年ということで、震災直後というのもあったかもしれませんが、ブルックが津波の映像を見るシーンが2度出てくるんです。津波の際に防災無線で地域に避難を呼びかけ続け、津波の犠牲になった「遠藤未希」さんについても言及しています。

僕なりに解釈すると、「母の死」をまだ受け入れられていないブルックは、「死の象徴としての津波」と、自分の命よりも誰かを守ることを優先した遠藤さんに対して、無視できない何かを感じたのだと思います。「母の死」をブルックなりに受け入れるための行動だったのかもしれません。そしてそれは彼の作曲活動にもあらわれています。ブルックにとっての作曲とは「母の死」と切り離せないものだったんだと思います。だから、先程のラジオのシーンでもパーソナリティに雑に「母の死」についての話を振られた時は激怒したんでしょう。さらに、ブルックの元カノが現在付き合っている相手もアーティストで、「スペースフェイス」という芸名で活動しているDJなんですけど、彼のこともめっちゃ貶すんですよ。「あれは本物の音楽じゃない」的な感じで。ブルックにとって音楽は「母」とのつながりでもあるんだと思います。

自分を閉じて、殻に閉じこもってしまったブルックですが、ある日突然ブルックの家を訪問してきた3人の妹たち。母が生きていた頃と変わらない態度で接してくれる妹たちによって、段々と自分を「開いて」いくことができるようになります。
だけど、父とはなかなか心の距離を縮めることができないブルック。父を自分の家に入れようとせず、ブルックの家の前に停めた車の中で眠る父。
一緒に母の遺灰を海に撒くためにブルックの元へやってきた家族。渋々ブルックは家族全員で浜辺に向かい、母の遺灰を海に撒く。そこでブルックが母の葬式から逃げたことがわかります。そして父もまた、心情を吐露するんです。ブルックにとって「母の死」に一番近い存在が父親だったのかもしれません。だから父と向き合うことができなかった。
しかし、ブルックは閉じかけていたけど、妹たち、家族によって「開く」ことができるようになっていき、前進することができるんです。
でも、妹たちはブルックに特別な何かをしたわけじゃなくて、「ただそこにいた」だけなんです。

でもそれだけで良いんですよね。
そして妹たちだけでなく、親友であるクラークもいつもブルックのそばにいてくれた。そのことにもブルックは気づくことができるようになる。

『シャン・チー』においても、主人公「シャン・チー」のそばにいつもいてくれた存在「ケイティ」。ケイティはシャン・チーが一人で旅に出ようとしているところを強引について行きます。確実に危険な旅になるので、ケイティの身を心配してシャン・チーは止めようとするのですが、それでもケイティは強い意志でついて行くんです。只者じゃないシャン・チーに一般人の自分がついていっても、できることはなにも無いかもしれないのに。
しかし結果的にシャン・チーはケイティに救われる。

この、「閉じゆく主人公」を、周りの登場人物が「ただそこにいる」ことによって、段々と主人公が開いていく。っていうのが本作、『シャン・チー』、そしてこの後レビューして行きますけど、『ショート・ターム』『ガラスの城の約束』『黒の司法』といったデスティン・ダニエル・クレットン監督作品全般に流れているテーマな気がしています。

そして、物語ラストに冒頭のライブシーンに戻ってくるのですが、トイレでブルックが吐いたシーン、そしてその後の展開を見て受ける印象は、最初とは全然変わるんですよね。同じシーンでも、物語を見ていくことで受ける印象が変わるという、「これぞ映画」と言える素晴らしい構成。

本作を鑑賞することで『シャン・チー』の見方もちょっと変わりました。
デスティン・ダニエル・クレットン監督の過去作を全て復習した上でもう一度見に行きたいと思います。

2021/9/9鑑賞
A

Aの感想・評価

-
健全なコミュニティに根差す主人公だからはみ出すといってもそこまで程度は甚だしくなく、お話自体もかなりミニマム。テン年代ぽい映画だと思った。フラッシュバックには要注意。
10000000

10000000の感想・評価

4.0
ひとん家のホームビデオ観るの結構だるいだろ、、



”大人と子どもの対比→その境界線と定義がボヤける”またしても この要素入ってますね。

ちな、前借りたTSUTAYAから姿を消してたからわざわざDVD買った。えらい。

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2017.10.07
3.9
arch

archの感想・評価

3.0
ドミニク・ボガートのやさぐれた仕草、家族や友人に時々見せる気を許した表情、全てが愛おしい。

芸術家として行き詰まった男は両親との関係に悩み、また芸術表現に悩み、その憂さを闇雲にぶつけてしまう。時には友人を傷つけることにもなる。そんな彼が印象的だった。

ミュージシャン映画といえば、「酒に溺れ、破滅しかける」なんて展開は良くあるし、そこに女性関係やドラッグなんかも加わっていくのがほんと世界中どこのアーティストを映画にしても共通する。だが本作の彼は非常にスケールダウンしたミュージシャンの物語に感じた。小さな町で、小さなコミュニティで、お酒で破滅はするが女もそんなにだし、薬は出てこない。
ある意味健全なミュージシャン映画にも見える。どこか振り切れないのは"家族"というものが作品を描く上で欠かせないもので、彼の映画は多分常に家族を描く映画であり、家族がいる以上破滅しきれないという監督の境界線がそこに引いているからなのだと思う。

「シャン・チー」とのつながりとしては父親と息子の軋轢、そして亡き母親像は共通しているよね
PG12

PG12の感想・評価

-
ヒップスターじゃないってタイトルなのにこの邦題。ジャケットも良くない。でも映画はめちゃイイ。主人公に姉妹たちがいてくれて本当に良かった。劇中の曲もすごく好みだった。
tetsu

tetsuの感想・評価

4.8
マーベルの新作『シャン・チー』の公開に合わせて、デスティン・ダニエル・クレットン監督の過去作が気になったので、鑑賞。


[あらすじ]

正直な言動や行動を貫くあまり、周囲との調和を保てないインディー音楽アーティストのブルック。亡き母の遺灰を撒くためやってきた3人の妹たちと父の再会や友人との交流により、彼の人生に転機が訪れる。


[感想]

正直、ここ最近、本当に刺さる映画を観れていなかったのもあって、今の自分に、ここまでハマる作品があるのかと感動した。

偽善や欺瞞に満ち溢れた社会や、不誠実な自分の生き方に迷っているのもあって、これからも胸に刻んでおきたい映画だった。


[最近思うこと]

政治的・国際的アピールにまみれた某祭典の開会式や、増加する感染者数をうやむやにする政府、一方でうわべの人間関係を否定するクリスチャンの兄だったりと、ここ最近、「誠実さ」について思うことがあり、地味な映画ながらも、めちゃくちゃ共感する部分が多かった。

異国の大災害に心を痛め、亡き母との思い出をお涙頂戴エピソードとして消費しようとするラジオ司会者にぶちギレ、模倣だけの創作物に嫌悪感を示す主人公。

その誠実さゆえに他者との調和を乱すことが多いけれど、そんな彼の生き方には憧れる部分さえあった。

確かに、場の雰囲気を乱すことは考えものだけれど、それを自然と避けることで自分の意見を押し殺したり、もはや、考えることさえやめてしまうことよりは、よっぽど価値を感じる生き方だなぁと。

そんな点も含めて、今後の自分の人生に、かなり影響力をもたらしてくれる作品だった。


[タイトルの意味]

本作のタイトルになっている言葉"HIPSTER"は、海外のスラングとのこと。

流行の最先端を行く人という意味が転じ、現在では、かっこつけという意味合いが強く、日本でいう"サブカル系"のような文脈で使われているとか。

ただ、本作の原題は『I am not a hipster』となっている。

単に気取っている人たちを否定し、本当の芸術とは何かを説く主人公の姿には、そんなタイトルの意図が感じられた。


[終わりに]

信念を持つがゆえに衝突を避けられない主人公の生き方が印象的だった本作。

派手な場面や記憶に残るカットもなく、周囲の調和を重んじる意識が強い日本では評価されづらい作品なのは間違いないが、少しでも、届くべき人に届いてほしい隠れた傑作だった。


参考

夏目漱石 現代日本の開化 ――明治四十四年八月和歌山において述――
https://www.aozora.gr.jp/cards/000148/files/759_44901.html 
(某式典を見たときに、スゴいとは思いつつ、ふと、この文の"皮相上滑り"って言葉が浮かんでしまったんですよね……。)

台本11冊を入手 五輪開会式“崩壊” 全内幕 計1199ページにすべての変遷が | 週刊文春 電子版
https://bunshun.jp/denshiban/articles/b1436 
(どこまでが真実なのかは断言できませんが、少なくとも、権力者の圧力や思いつきがアーティストの素晴らしい作品を踏みにじる事例は多々起こっているわけで。有料記事になってしまいましたが、気になる方は読む価値もあるのではと。)
✩⃛*ೃ.⋆《I AM NOT A HIPSTER 》✩⃛*ೃ.⋆

パケがあまりに可愛くて。やられたわ…
観終わって予告編見て、
あの『ショート・ターム』の監督作品だったのかと驚きつつも肩をもう1度落とした(あっちは好きだったので)。
まぁ…そうよね…そんなもんよね…と自分を納得させるしか無い。

イヤ、ほんと主人公がクソ嫌な奴過ぎて終始イライラ…(╬^∀^)
どうしよう、ただのワガママこじらせ男にしか見えない!!
さらに途中でカワイイ3人の妹出てきてキャッキャされてマジで面白くないハーレム系青年マンガ見てる気分になった。
ONE PIECEのウソップみたいな容姿の奴がホントにイイ奴。そこだけ。救いは。

パケのタイトルロゴが可愛すぎて自分で書いてみたらボロ雑巾にカビが生えたようになってクソ可愛くなくなったw

2017.12.15レンタルDVD
以前の鑑賞記録

映画って、評価に関係なく、すごく刺さる時ってありますよね。

私にとって、まさしくそんな作品でした。
ワラ

ワラの感想・評価

3.5
ショートタームの監督というので。こういう空気感や心情表現は前作同様で素晴らしい。ただ、特に前半の主人公への共感できなさが少々ありだった。4人兄弟で女3人だとあんなにキャッキャなるのだなと。楽しそう。
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