yukari

十年のyukariのレビュー・感想・評価

十年(2015年製作の映画)
3.9
返還されてから20年が経ち、
設定は映画が製作された2015年から
10年後の2025年。


社会派問題作と宣伝されていて、
内容が難しいかもと身構えていたが、
香港の若手監督5人の熱い情熱と
訴えかける事がダイレクトに伝わり、
分かりやすかった。


香港では一時、同時期に公開に
なったスターウォーズ フォースの
覚醒を抜く興行収入になったという。


観光で行って食べ物が美味しいとか、
人が活気溢れて勢いのある国という
イメージでしかなかったので、
観終わった後、香港が抱える問題、
香港人の将来への不安感に
すごく衝撃を受けた。


最近よく、ニュースで目にするが、
中国から香港への圧力が酷く、
解決は決して簡単な事では
ないだろうが、表現や言論の
自由がなくなって香港らしさが
失われ完全に中国になったら
と考えると…。


キャッチコピーの「ぼくたちの
見たくない未来のこと、5つの香港の
物語」 の言葉通り、近い将来
そんな事になれば、本当に恐ろしいと
感じた。

学生運動のデモ、焼身自殺など、
ショッキングな描写もあったが、
この映画を観ておいてよかったと思う。

最後の物語で、たぶん学校での
教育なのか、ねじ曲がった思想の
影響を受けつつある子供に
お父さんが、他人の言う通りするん
じゃない、自分で考えるんだって
言う場面と、ちゃんと子供は
それを知っていたと
分かるところが印象的だった。
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