りーちゃん

闇金ウシジマくん Part3のりーちゃんのレビュー・感想・評価

闇金ウシジマくん Part3(2016年製作の映画)
3.2

劇場版、闇金ウシジマくんの第三段。

毎回ワンパターンの展開なのに、山田孝之観たさについつい観てまうねん。

今回はネズミ講の高額「ネットワークビジネス」にハマってしまうフリーターと、同僚に金をせびられ、借金を繰り返すダメリーマンのふたりを軸に物語が展開します。
本筋は、フリーター青年の本郷くんのサクセスドラマになっていて、ウシジマ社長はあまりドラマに介入していません。

浜野謙太演じる"教祖"こと、天生翔のモデルは一世を風靡した「アノひと」なのかな。秒で億を稼ぐ?ネズミ講の元締めとして莫大な収入を受講者から取る彼は、強欲を絵に描いたような奴です。巧妙な口車とおかしな決めポーズが滑稽で、この男が登場する場面はみていて飽きません。
個人的に、主人公の本郷くんよりおいしい役なんじゃないかと思う。

一方こちら、オリラジ藤森はドラマ自体特に注目するところはないけれど、同僚に金をせびられ借金を繰り返しながらキャバクラに入れ込む、どうしよ〜もないクズ。
このダメ男を演じた藤森が「ダメ」が堂に入っていてハマリ役でした。最近の芸人枠は当たりが多いね。
芸人枠と言えば、アンジャッシュの児嶋さんもチョイ役で出演してるけど、まぁ贔屓目に見ても、ただの「児嶋一哉」、『少女』では好演していただけに、芸人を活かすも殺すも映画次第なのねと思う次第。

Part2のクオリティを期待すると少々肩透かしなのは否めません。
前作は、ウシジマくんのカウカウファイナンスを通じて、債務者たちの別々の人生が絶妙に絡みひとつに収斂してゆく、卓越したドラマ構成と娯楽性にたいそう感動したものだけど、今回二人のドラマが交わる場面はなく、ただ2つのエピソードを同時進行させてるだけってかんじ。

また、今回主人公であろう本郷くんは、野心むき出しで資本社会に飛び込んでいって、確かにヒーローといえる存在かも知れないけれど詐欺は詐欺だし、それを手放しに称揚する空気には少し違和感を覚えました。同じく犯罪組織である闇金の社長が褒めること自体、不自然ではないと思うけど、なんとな〜く、キャラを超えた制作側の声が感じとれた気がする。

まぁ、観終わった後は「風俗はほどほどに明日も地道に働こう。」と再確認させてくれる作品となっていることは間違いないです。