ツクヨミ

LOGAN ローガンのツクヨミのレビュー・感想・評価

LOGAN ローガン(2017年製作の映画)
2.2
荒廃し腐り切った老ローガンのいく末と最後。
そろそろ新作が公開なので予習がてらこちらをチョイスしてみた。
まず本作はどこぞの世界線かもわからぬ2029年.すっかり老いたローガンの最後を描くウルヴァリンのスピンオフ作品になっている。かつての栄光にしがみつくわけでもなく、運転手として細々生活しつつもはや認知症かと思うほど老いたチャールズエグゼビアを介護する毎日を過ごすリアリズムよ。
まじ本当にアメコミ映画かと思うぐらい、現代アメリカ社会の闇でギリギリ生きているローガンとチャールズの生き残りミュータントがメキシコを目指しつつアメリカが出られないさながらアメリカンニューシネマのようなプロットがけっこう好きだ。だがしかしウルヴァリンと同じ能力を持つローラという幼いミュータントの存在がぎりぎりエンタメの括りに縫い付けている、彼女たち残党ミュータントを救うためにギャングたちと戦うしっかりアクションも見ものではある。
いやはやなんとも絶妙なバランスの上に成り立つストーリーだろうか、人間ではないミュータントたちが被る現実を映しつつ底辺農家の実体まで描くリアリズム路線。だがしかしやはりアメコミ映画としてしっかりヒーローじみた救済をローラたちに与え散っていくローガンの最後は美しい。でもなんかプロットのうまさにしてはカタルシスが薄く好きにはなれなかった気がする。
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