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LOGAN ローガンのKANIOのレビュー・感想・評価

LOGAN ローガン(2017年製作の映画)
5.0
17年前
まだ映画史にマーベルシネマティックユニバースもサム・ライミのスパイダーマンも存在していない時代。

バットマンやスーパーマンのように単独やサイドキックとで戦うヒーローではなく、多数のヒーローから構成されるチームが戦う『X-MEN』は、物心つき始めた少年にとっては衝撃的な作品だった。
様々な能力者を主軸に描かれるその冒険活劇は、やがてシリーズ物が作られ、スピンオフが作られ、マーベルのアメコミ映画がまだ世の中に浸透していなかった中で着実にその世界観を広げていた。

様々な時代や歴史をバックボーンに絡め、作品によって毎回毛色が変わるX-MEN映画だったが、それらの世界にはいつも決まってウルヴァリンがいた。
彼は、俺がガキの頃から観てきた映画人生の片隅にいつも寄り添っていたんだ。

マーベルシネマティックユニバースより長く続いた20thFOXのX-MENユニバース。
気が付いたら、いつの間にかアメコミ映画は最盛期を迎え、しかし俺たちにとって顔馴染みのミュータント達の姿はスクリーンから消えつつあった。

本作を観賞し、最後までウルヴァリンであろうとした彼の姿を目に焼き付けた時、「彼の活躍は今作で本当に最後」だと実感し、途端に涙が止まらなかった。

17年間に渡る彼の冒険活劇は幕を降ろす。
一度も着ることがなかった”黄色いコスチューム”を、沢山の少年たちの心に残して。

アメコミ映画というカテゴリの中で、映画史に残る大傑作。
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