「エンディングまで、泣くんじゃない」
世代交代や親子の絆を描きながら、一人の罪びとが自分の人生にケジメをつける姿を描き切る、まさに葬送歌としての映画。
反目し合っていた擬似親子が絆を深めていくロードムービーという『ペーパームーン』形式の映画でありながら、
主人公と観客に突きつけられる主題はあまりに厳しく容赦がない。
「無垢な存在を救うなど善行を重ねたとしても、人を傷つけた罪が消えることはない」
そのメッセージは劇中でもフィーチャーされる『シェーン』または『トゥルーグリット』、さらに『許されざる者』そして『グラントリノ』にも通じる。
鮮血が飛び生首が転がる一方で、感情的な演出は抑制され、死はあくまで冷徹に描写される。
その乾いた語り口はコーマック・マッカーシーの小説を読むようだ。
映像面での主人公とも言えるアメリカの大自然は、まるでアンセル・アダムズの写真やハドソンリバー派の絵画に見えてくる。
そして『レオン』と並ぶ珠玉のラストシーンでは、
ローラが見せる不意打ちの行動に涙がボロと溢れてしまった。
罪について、贖罪について、罰について、命について。
X-MENという枠にとらわれない普遍的な価値を持つ名作である。
是非モノクロで観たい。
※ローガンとプロフェッサーのかけ合いに既視感あるな〜とモヤモヤしてたけど、あれだ。ジョジョ4部の仗助と老いたジョセフの感じだ。