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LOGAN ローガンのtaominicocoのレビュー・感想・評価

LOGAN ローガン(2017年製作の映画)
5.0
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『ローガン』はベストムービーのひとつで、当時、劇場で鑑賞しました。
「X-MEN」シリーズを追いかけていた私にとって最も鮮烈な作品で、鑑賞後に涙が止まらず、顔を隠してトイレに駆け込んだほどでした。

舞台は、ミュータントがほぼ死滅した2029年。不老不死のはずのローガン(ヒュー・ジャックマン)ことウルヴァリンも治癒能力が衰え、生きる意味を失っていた。
病に伏せるチャールズ・エグゼビア(パトリック・スチュワート)ことプロフェッサーXと、チャールズの介護を助けるキャリバン(スティーヴン・マーチャント)との生活は、ただ死を待つひっそりとしたもの…。
そんなローガンの元へ、一人の女が訪れる。ローラという少女を守ってほしいと託されるのだがーー。

世を捨てたローガンの前に現れた少女の正体に驚き、チャールズの苦悩とローガンへの無償の愛に心を抉られました。
ローガンとローラの父子にも似た関係の変化と結末には大号泣。

ヒュー・ジャックマンはハリウッドきっての人格者と言われていますが、この作品を観て、メディアが作ったおおげさなイメージでないんだろうと確信したものでした。

長年ともに生きた「ローガン」に最大の愛と敬意を持ち、最期と向き合ったんだろうと。

ストーリーや監督の演出ももちろん素晴らしいのですが、ヒュー・ジャックマンの情熱と雄姿に心から感動しました。

先日、本作のパンフレットを名画座でたまたま購入でき、キャストインタビューを読むことができました。
中でも印象的だったのは、パトリック・スチュワートの弁。

彼は、この作品でチャールズ役を引退するつもりはなかったのだそう(現行、回想シーンで登場があれば、演じるつもりだったという意味かと)。

しかし、この作品をベルリン国際映画祭のプレミア上映で観た時、「これほど美しく、完璧な終わり方は、この後、不可能だろう」と、引退を決意したと語っていました。

パトリック・スチュワートのコメントが、この作品の全てを語っていると思う。

観賞後に「寂しい」「終わらせないでほしかった」とはまったく思わなかった。
この作品で「X-MEN」を完璧に閉じることができたので、感謝に近い感情が沸いたのかもしれません。

以降、『X-MEN;ダーク・フェニックス』や『ニュー・ミュータント』など新作も作られていますが、ローガンとチャールズがいないなら……。
私にとってそれはもう「X-MEN」ではないんです。

単体でも完成度の高い素晴らしい作品ですが、渋くて硬派な作風なので、アメコミヒーローものとしては異質かもしれません。
ぜひ、X-MENシリーズを網羅して、この作品に出合ってほしいと切に願います。
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