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ハクソー・リッジのindieのレビュー・感想・評価

ハクソー・リッジ(2016年製作の映画)
5.0
信仰の良し悪し

信仰故の強硬さが人を惑わし人を救う。
アメリカのど田舎で育った青年(発達障害気味)が信仰故の狂気を武器にアメリカ軍と権利の主張の為に闘いWW2沖縄戦での自分の役割を全うする為に無謀な救護活動を続ける。

主人公は正しいキリスト教徒なのだろうが個人的主張を押し付ける為に同じアメリカ人からも変人扱いされ虐げられる。
それでも信仰故の信念を曲げない意志の強さは驚嘆するに余りある。
更に過酷な体験を通して優先的に成すべき事は何かを判断するという成長すら見せてくれるのだ。
ただこの作品を観終わってもキリスト教万歳!とならないのはやはり尋常ではない個人的妄執を見せつけられるからであろう。
信仰を背負って生きる人の強情さと一途さが後味として残る。

全体として観ると上記のテーマとなるが、この作品の最大の魅力は血塗られた沖縄戦の残酷描写にある。
手足が千切れ顔面や身体にイタズラに穴が空き火だるまとなりのたうち回る兵士達のこれでもかという死に様演出には興奮せずにはいられない。
このシーンだけでも観る価値はある。
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