Sharksta

ハクソー・リッジのSharkstaのネタバレレビュー・内容・結末

ハクソー・リッジ(2016年製作の映画)
3.1

このレビューはネタバレを含みます

試写会にて鑑賞させていただきました。
ストーリーの下調べを少しして行ったので、戦争、日本軍との戦い、実話ベース、メルギブソン久々の作品等、色々な思いを持って鑑賞しました。

見終わって、と言うか見ている最中から一番わたしがすごい!と思ったのがカメラワーク。
私はもちろん実際の戦場に身を置いたことはありませんが、本当に私もその場にいて目の前で人が撃たれ、血が跳ね返り、兵士の身体は爆弾で四方に飛び散り、泥と血の混じり合った匂いが煙とともに臭ってくるのではないかと思う様な「リアル感」を、届けてくれたアングルやカットで演出されたシーンの数々に、驚かされました。
それらの撮影シーンをただ、リアルに見せるだけではなく、ドラマチックに効果的な見せ方で、見ている人を引きつけてくれるその手法がすごいな!と思いました。
血や内臓がとびれる様なシーンに私は別に目を背けるタイプではないのですが、思わず逆に身を乗り出して、もっと近くで見えるのでは?と思い前のめりになってしまう映像を見るだけでも、エンターテイメント性が十分にあると思いました。

そして、流石のメルギブソン。信念、と言うテーマをとことん、自分流に表現する映画にかけては俳優兼監督というスターの中でも、かなり熱い情熱を持って製作する彼の
要素を綺麗にまとめている作品であると思います。
主人公の信念、思い、それを貫く際に、戦争映画である中にいいバランスで人間の感情・愛をところどころに配置しつつ、最後に主人公が負傷して担架で運ばれるところには、
これでもかという宗教的な象徴シーンを持ってくることで全ての紐を一気に手繰り寄せて光とともに巻き上げた、というシナリオは綺麗にテキストブックに沿ったまとめ方をしていたなと。
また、お約束の本人登場シーンを入れることで、さらにそのまとめあげた感じを活かしたエンディングにしたと、言い方が適切かわかりませんが「うまいことまとめたな」と思いました。

所々の笑い、ヒューマンドラマ、差別発言(時代がら当然あったで思われる)、などなど、翻訳では全部が伝わりきらないかもしれませんが、
こういう映画はアメリカ人だったら、素晴らしい!と絶賛されるんでしょうね。

日本人として、など、日本人の描きかはどうだったかと聞かれてしまうと、かなりツッコミどころはあったのですが、これは、メルギブソンの映画。
アメリカ頑張れ、アメリカ万歳という、宗教色も根底にしっかりある映画であるのだから、当然、この映画の様な描き方になったのだろうと思うと、やっぱり、良いバランスでまとめてはいたな、と思います。

オスカー視点から: これが、オスカーの最優秀作品賞にノミネートされるレベルなのか?と思うと、疑問がかなり残ります。
アンドリューは演技がんばってました!
沈黙に続きポイントupですね‎|•'-'•)و✧

本作、映画館で鑑賞することをお勧めするメルギブソンの久々の実話に基づいた作品は、世界中で未だ続く紛争だけでなく、テロなどに対してのメルギブソンなりのメッセージも含まれているのだといいな。。。と思い、試写会を後にしました。
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