じゅんP

ミス・レプリゼンテーション: 女性差別とメディアの責任のじゅんPのレビュー・感想・評価

3.8
メディアが見せるvisionがいかに私たちを縛りつけているのか。そのvisionを刷り込みたいやつらの思惑とは?

といった視点から差別構造の根深さに迫るドキュメンタリー。

一部、そことそこ紐付けて語るのは早計じゃね?ってとこもなくはないけど、げんなりするようなfactの集積から、息苦しい構造の有りようが浮かび上がる。

シスヘテロ白人おじさんの吐き出すヘドロみたいな言葉に対し、高校生たちの語る多様な未来を信じ、闘い、勝ち取ろうとする言葉の軽やかさ。
本当はもうちょい上の世代が頑張ることですよね、ホントごめん。

2011年のアメリカ視点、大局としては大きくは前に進んでいないなりに、例えばトランプ政権下ですら議員の女性比率は多少上がってるだろうし、この映画で語られたような言葉の力が、少しずつ実を結んでいるのかなと。

印象的だったのは、フィクションの世界で強い女性主人公が描かれたとしても、その多くはあくまで男ウケするお人形として機能しているという指摘。
ここは本編でも提言されていたように、監督・脚本に女性起用が増えていることもあり、ここ数年で目に見えて変化がある点かも。

そう考えると“先を見据えたvision”を提示し続ける事はやっぱ偉大で、これから加速度的に前進していく人と、いつまでも理想化した過去にすがろうとする人の差は拡がるばかりだろうし、意識して埋めようとしなければ世代間・国家間でも相当ギャップが大きくなっていきそう。
問題意識が可視化されづらく鈍感な社会ほど先々までヤベえって事で日本…。
じゅんP

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