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ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャーのleylaのレビュー・感想・評価

3.8
サリンジャーはアメリカの流行本てイメージがあって読んだことがなく、先日NHKで『ライ麦畑でつかまえて』に関するドキュメンタリーを観て興味を持ちました。

今作はWikipediaの内容をうまく映像化してくれたような伝記作品で、映画の作りとしては物足りなさもあるけど、サリンジャーの半生を知るにはとても参考になった。

どのように作家になり、なぜ『ライ麦畑〜』以降は出版していないのか。

反抗心が強く社会からはみ出してしまう性格は、時には子供っぽく自分勝手。しかし編集者の修正を堂々と断ったり、媚びを売らない態度が時には魅力的で、その分、生きづらくもある。

兵士になり、戦地でボロボロになっても書き続けることで生き延びたという。

「嘘のない物語が書きたい」
「書くことが祈り」
「夫や父親や友になる術は知らない 
なれるのは作家だけ」

小説の中の主人公、ホールデン・コールフィールドは作中でもずっと不機嫌で、サリンジャー本人と重なる。物語の中で嘘をつくことを許さなかったのは自分のアイデンティティを守るためだったのだろう。書くことでしか自分でいられない作家…
さっそくAmazonで小説をポチリました。

恩師役のケビン・スパイシーが誠実みがあり、今作に深みを増していました。ニコラス・ホルトって『シングルマン』でコリン・ファースの恋人役でちょっとだけ登場したあのイケメンの青年だったんだ♡
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