「ライ麦畑でつかまえて」は遠い昔に一度だけ読んだきりで、あまりピンと来なかった記憶があるんだよね‥。
なのでその原作者サリンジャーの史実を描かれてもどうなのかなーと思いつつ観たんだけど、創作の苦しみと孤独を描いてて普遍的な感動があった。
生涯に大傑作を一つだけ残してその後あえて出版しないってのは「風と共に去りぬ」のマーガレット・ミッチェルに通ずるものがあるね。
真の作家はどこかしら人間的に欠陥があるっていう彼自身のセリフが語るように、天賦の才を与えられた存在は人並みの幸せを犠牲にせざるを得ないのかも。
チャップリンのスキャンダルが出てきて、サリンジャー自身が若い女性にイノセンスを求める性質と共通するものを感じた。
エリア・カザン、ビリー・ワイルダーからの映画化のオファーを断るくだりで、もし実現してたら両方とも観てみたい!って思った。
「ライ麦‥」を愛をこめて酷評するクレア役のルーシー・ボイントンが見たことあるなーと思ったら「ボヘミアン・ラプソディ」のメアリー役で、このツンデレ加減に男はグッとくるね。