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続・深夜食堂のmatchypotterのレビュー・感想・評価

続・深夜食堂(2016年製作の映画)
4.0
《料理の映画》、Vol.1。

久しぶりに今日からショート企画。
美味しそうな企画。空腹時に観ると気が狂いそうなので、しっかりご飯食べてから挑もうと思う。

その映えある1作目はこれ。
前作観てめちゃくちゃ素敵な映画だと思った、その続編。

本当に憧れる。
新宿の路地裏にひっそりあるやや寂れた雰囲気の“めしや”。
こんな場所、憧れしかない。いつかこういうところの行きつけになりたい、いや、絶対になる。

会社でも、家でもない、気が許す場所。
“公”でも“私”でもないような、曖昧な場所。

決まったメニューがあるわけでもなく、適当に作れるモノで食べたいオーダーを叶えてくれる“めしや”。

なんだかよくわからず、自分でもやり場のない身の上話を聞いてくれる“めしや”。

こういう場所でも、いや、こういう場所だからこそなんだかよくわからない色んな人がそこそこ集まってきて誰だかよくわからない客同士でも、会話が生まれ、人それぞれの人生に“何か”が生まれ、消えることを一緒に分かち合う。

変に利害関係や損得勘定も後ろ盾もないからこそ、吐き出せることも吐き出せる。
それでまたそれぞれの“公”にも“私”にも変えれる場所。

まるで、ぽっかり空いてる隙間を見つけたような。何か自分に“ほつれ”があった時にそっと迎えてくれるて、そっと包んで生きるヒントやキッカケをくれるような“亜空間”みたいな場所。

生きてりゃそりゃ色々ある。
騙されたり、つまづいたり、失ったり、冒険したり、立ち止まったり。
どんな時も、1人でやってたつもりが、1人で抱えきれなくなる時もある。

そんな時に、こんな店があるってどんなに心強いのか。

こんな素敵な店だからか、ここで起きるしょーもないことも、しょーもない人も、しょーもない会話も、みんなみんなドラマチックな色があるように思えてくる。

決して裕福でもなく、不満ばかりで、自慢できることがなかろうと生きてて良かったなぁ〜、こんな日もあるよねぇ〜、とみんなでみんなの幸せや不幸をちょっぴり分かち合って、ちょっぴり笑って、ちょっぴり泣く。

ここに集まってくる人も、話題も、どこにでもあるようなことのような何の変哲もない出来事のような気がするのに。

マスターも、客も、商売仲間も、巡査も。
厚かましいお節介なようで、口だけの無関心なようで。
人の不幸を笑って、人の幸運を僻んでるようで、、、ここには愛しかない。

それも、みんなが“わかってる”だけに、相手に与えられて、相手が受け取れる愛しかない。

話に感動するというより、この環境と雰囲気、見ず知らずの人同士が物語を紡いでいくそのやり取りに憧れと恋しさを感じる素晴らしい映画。

この企画、1作目、これを選んで良かった。

この小林薫とこのオダギリジョー、大好きだ。
この多部未華子、、、は、もっと好きだ。

そりゃ、お客は結構来るよ、、、そりゃ。

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TSUTAYA DISCAS運営の映画コミュニティサイト「Discover us」にて同アカウント名でコラムニストをさせて頂くことになりました。
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別視点で色々映画について書いていこうと思います!ご興味ある方は是非お待ちしております!
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