6トン将軍

鋼の錬金術師の6トン将軍のレビュー・感想・評価

鋼の錬金術師(2017年製作の映画)
1.5
「邦画の中では、CGレベルが高い作品」
「頑張っているけど、一般大衆には受けなさそう」

・ロケ地&美術

ロケ地は結構いい場所を選定しているよね。
原作に忠実というか、日本にはなさそうな場所もあるから、海外ロケかな。

美術も、VFXはなかなかよくできてるんだけど、演出が足りないね。
優等生的にそのまま美術とVFXを作った感じ。

いや、違うね。CGの作りこみが浅いだけかな。
多分、予算の問題で作りコミが出来なかったんだろう。
錬金術の戦闘シーンが少ないのも、同じ理由。

現状が7割の完成度で、ここから演出や編集加えたらよくなりそう。
後、カメラワークが、他の邦画屋やTV番組に比べて下手糞なのが、地味に痛い。

・演出

単調な演出だったんだよね。
マスタングが炎を出すシーンも、引きの絵でそのままとってるだけ。

本来なら

「引き姿→正面からの絵→手袋アップ→手袋の練成陣の演出→発火の仕組みの絵的演出(酸素を調節)→指パッチンで火花→発火→炎が対象に向かっていく→対象視点のせまってくる炎→燃える→ドヤ顔マスタング」

これぐらい細かくカットを切り分けるなり、カメラを動かして繋げて、演出しないといけない。ハリウッドならやってくる。しょぼい邦画でも、少しは努力してくる。

しかも、今回は漫画とアニメが既にあるんだから、そのあたりの演出から、実写用に演出を膨らませるはずなのに、まったくやってない。
予算がなくても、かっと割りぐらいはできそうなものなのに、これはたんなる怠慢といわれても仕方がない。

・演技
主演やベテラン人の演技は、そこそこだった。
しかし、大泉は大泉で、キャラより俳優が出ていて、演じきれていなかったけど。

ヒロインの本田翼は、
大して容姿がよくないわりに、演技も醜かったので失笑。

・良かった点
背景の合成は邦画の中ではかなり上手い方。
中々合成と分からないようにできていた。
細かいCGの部分も(建物の破壊、最初の戦闘シーン、変身系など)、よくできていた。
まぁ、後半になるにつれて力尽きて、適当になって言ったのがくやまれるが。

邦画のCG水準は、地味にあがっているなと思った作品でもある。
しかし、正面からやると(シリアスでやろうとすると)、粗が目立つなと。銀魂のようにギャグに逃げれば、学芸会レベルのCGでもいいんだけど。

・まとめ
正面からCGをやっているし、海外ロケ、衣装等も結構頑張っている。
この点は他の邦画に比べると圧倒的で、ハリウッドの映画製作手法をなんとか真似ようとしている様子が伺える。「銀魂」のように、逃げた邦画とは違う。

しかし、ハリウッド風にやると、ハリウッドを比較されるので厳しいところである。

とまぁ、なんだかんだ予算もかかっており、意欲的な映画でもあるんだけどー、ここでの感想を見るように、一般大衆は製作手法や細かい部分を気にしないので、受けは悪いだろうなと思った。報われない作品ですね。
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