七沖

鋼の錬金術師の七沖のレビュー・感想・評価

鋼の錬金術師(2017年製作の映画)
2.7
〝進め。兄弟の絆を懸けて。〟
公開当時に劇場に観に行こうとしたが、低評価なレビューが多くて二の足を踏んでいるうちに劇場上映期間が終わってしまったためレンタルで鑑賞。

母を失ったエドとアルの兄弟は、錬金術で母を蘇らせようとするも、失敗。エドは片手片足を失い、アルは全身を失ってしまった。なんとかアルの魂を近くにあった鎧に定着させたエドは、弟の肉体を取り戻すために万能の賢者の石を探す旅に出る…というストーリー。

レビューでもたくさん書かれていたが、全体的にコスプレ感が結構強い。自分の目で観るまで信じたくなかったが、コスプレ感からくる嘘くささが、冒頭から物語への没入感を絶妙に邪魔してくる。
本田翼が演じたウィンリーと大泉洋が演じたタッカー博士は普段着のせいか、一番違和感が無かった。
いや、ヒューズ中佐とかホークアイとか好きになれるキャラクターもいたのだが、世界観とキャストのアジア人感が致命的に相性悪かった…。

ストーリーは結構重たく、倫理的に気分が悪くなる展開もある。だがストーリー自体は決して悪いとは思わない。
…なのだが、敵として現れるホムンクルスたちの行動動機がイマイチ良く分からなかった。人間のエゴで生み出された人造人間なのだから、もっと人間に対して敵意を剥き出しにしても良さそうなものだが…。

原作を読んでないのでアレなのだが、大佐は炎を出す時に何を等価交換しているのだろうか?
いろいろ突っ込みどころや疑問は多いが、世界観とキャラクターの潜在的魅力は伝わってきたので、原作を読んでみたいと思わせてくれる作品ではあった。次作があれば、次こそ劇場で観ようと思う。
七沖

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