イワシ

狙撃者のイワシのレビュー・感想・評価

狙撃者(1952年製作の映画)
4.0
再見。アーサー・フランツの追い出されっぷり。開始前に刑務所から追い出され、病院からも追い出され、マリー・ウィンザーの家からも追い出される。狙撃することはそこにじっといること。ラストの立て籠もりもアドルフ・マンジューに連れ出される定め。

鍵穴への挿入、弾丸の薬室への装填などの物理的な挿入の動作が、ライフルを撫でる手からピアノを弾く手へのディゾルヴという編集技法による外から内への通底へと変奏され、狙撃による銃弾の頭部の貫通にまでエスカレートする。小さな暴力の兆しがやがて大事件へと発展することは劇中でも説かれる。
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