ロッツォ國友

ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリーのロッツォ國友のレビュー・感想・評価

3.5
億万長者にして金の亡者ことディズニースタジオによる、偉人の死体を引きずり回してハイペースで投機するスターウォーズシリーズ最新作!!!

「イイ予感がするぜ」

…そうでしょうとも!
ハイペース過ぎて前作ほど振るわなかったらしいが、まぁ他の映画に比べりゃ引くくらい儲かってんでしょうな…


エピソード7〜9だけでも食傷気味なのに過去掘り返しですよ。
ローグワンのノリかな。実際、完全新作よりは興味をそそるが、それって良いんだろうか。



もうハナから純粋な映画体験としては見ていないワケだけど、まぁ結論から言うと、意外にも悪くなかったっす。
というか、かなり丁寧に作られてると感じた。

まずはスターウォーズお決まりの宇宙船チェイスとブラスターによる撃ち合いはバッチリ用意してあり楽しめました。
今さら真新しさなんて求める気もないが、同様のシーンにおける過去作でのバランス感やツボをちゃんと押さえながら、ムリのない範囲で「新しい」スパイスを程よく入れてあり、掘り返し作品の作り方をわきまえてるようにも感じた。
普通に良い。好印象。



そして本作を観ていて一番強く感じたのは、
「『人』で魅せる」
という切り口。

そもそもSF作品、とりわけ本シリーズにおいては、ビジュアル面で新しさを出すのは至難の業だ。
意表を突き過ぎれば「こんなのスターウォーズじゃないorじゃなくていい」と一蹴される。
しかし、もう古いものを使い回して喜ばれる時期でもない。
だからどちらかというと過去掘り起こしストーリーの方が都合が良いことになるが、じゃあそれは面白いのか?という話になる。


上述したように本作を「良かった」と感じた一番の点は「『人』で魅せる」という切り口があったこと。

ハン・ソロやチューバッカはモチロンのこと、いじわるセクシー女やウディ・ハレルソン、ブチギレ人殺し野郎や腕腕兄ちゃんや色ボケドロイドなど、なかなか印象的なメンツが揃っており、またそれぞれがちゃんと生き生きと描かれていた。

これ、ただ特徴的なキャラクターを置いただけではネムくなりがちなところを、それぞれの人間関係を程よく描くことで一人一人を際立たせており、どのキャラクターにも興味が湧くように作られている。
うまい設計なんじゃないでしょうかね?

特にハン・ソロ&チューイのコンビとウディ・ハレルソンが良かったっすね!
セリフが臭過ぎず凡庸過ぎず面白い。
言動がとても気になるし、ちゃんとカッコいい。
もっと見つめていたい人達でした。イイ。


だから、スターウォーズ作品としては難しい分野である「SFとしての新しさ、面白さ」はソツなくうまーくまとめつつ、魅力的なキャラクターとその関係性で物語を引っ張る造りになっており、これなら苦しみ感なく楽しめるな、と思ったわけであります。
次にハンが何をするのか、何を言うのか、とても気になったもんね。



あと話運びについては、まー中盤までは話がポンポン進み過ぎてちょっと強引過ぎなんじゃないかと思ったけれども、ただこれ、スターウォーズシリーズのスケール感や過去作への目配せとかに気を取られてたらどんどんノロマ展開になりそうだし、これぐらいのテンポの方が結果的に面白いと思いましたね。

事実スピード感のある展開のおかげで中だるみもほぼ無く最後まで観れたんで、良い塩梅だったんじゃないでしょーか。
2時間15分ですよね?短いとは思わなんだが、全然苦じゃなかったですよ。



日頃から、友人や仕事仲間にスターウォーズの死体引きずり回しシリーズの文句や苦言ばかり言ってる立場ですけど、今作のキャラクターは素直に好き←
誰だか知らないけどハン・ソロ役の人、ハマってましたね。ハン・サムだし(これが言いたかった)。
チューイもこう、なんともキワい感じの細身着ぐるみ感はむしろ過去作リスペクトなのかなと思いました。かわいい。なんでお前言葉通じるんじゃ。
あとヒロインの彼女、すごくイイですね。えろい。
一緒に梅酒とか飲みたい。



シリーズを引き延ばす時点で、話のスケールはより大きくどうでもよくなりがちな中で、こういう話ならキャラクター間の関係性で物語が作れるので置いてけぼりにならずに楽しめましたね。
なんか続けようとしてるようなしてないような終わり方だったけど、まぁ、ね、本作は面白かったから、知らんぷりしましょ。


フツーに楽しめて何よりホッとしてます!
これだけやれればイイでしょ!
ごっつぁん!
ロッツォ國友

ロッツォ國友