ブタブタ

忍びの国のブタブタのレビュー・感想・評価

忍びの国(2017年製作の映画)
4.5
いい意味で俺TUEEEE!のラノベ。
マンガ的で非常にポップ。
忍者は完全に「傭兵」として、またあの時代の「特殊部隊」としての描き方もよかったです。

忍者たちは徹底した拝金主義者で冷徹な現実主義者の集団でありながら一種の異能集団で、逆に武士たちは特別な力を持たない普通の人々(当然ながら)で忠義や武士の誇り等のファンタジーの世界に生きている。
この全く違う価値観・世界に生きる者同士の激突は『セデック・バレ』や『アバター』等の「異文明侵略物」のテイスト。

無門と言う特殊なキャラクターに「役者」でなく「アイドル」を起用したのも大成功だったと思います。

無門の飄々としている所と化け物レベルの強さのが同時に存在している特異なキャラクターを大野智は見事に体現していたと思います。
それにトップアイドルを長年勤めているだけあって華があるしオーラがあります。

『十三人の刺客』の稲垣吾郎『ヒメノアール』の森田剛と、ジャニーズの人は人間性が欠落した怪物的な人間をやらせると上手いのでしょうか。

紀里谷和明監督の『CASSHERN』『GOEMON』が完全に異世界を舞台にしていてキャラクターがいくら超人的な動きをしても、周りと打ち消しあってしまうと言うか『忍びの国』ではあくまでも通常空間で忍者たちはまるでゲームキャラの様な動きを見せるので、「忍者」たちの超人的・非現実感がより際立ちます。

『マトリックス』のバレットタイム的ではない無門の動きの、単に早く動いていると言うより周りの人間からは完全に次元が違う、みたいな化け物レベルのチートぶりを映像表現で見せてくれたと思います。

満島真之介をキャスティングしてるだけあって次郎兵衛にもちゃんと見せ場がありましたし、原作者による脚本も登場人物がかなり削られたのは残念ですがストーリーは時間内でよくまとまっていたと思います。

以下勝手な不満点(∩´∀`∩)
伊勢谷友介は信長にしちゃえばよかったのでは?
そうすれば出番少なくて済んだし(笑)
日置大膳は身体のデカさも鈴木亮平が合ってたと思います。
平兵衛は原作のイメージだと優男でキレると超強い、今は亡き(笑)小出恵介でしょうか。
でんでんは下山甲斐でなく伊賀忍者・木猿をやって欲しかった。
一見人の良さそうなおじさんで実は殺人鬼の木猿は無門とは違うタイプの狂気のキャラなので出なかったのは残念。
あと文吾も出して欲しかった。
ラストは原作の京の橋の上での無門と文吾の対決が見たかったです。
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