最初はイドの隣にいたアリータが、自らの闘争本能に従う事で、自身の成すべき事に気付き、戦いに目覚めていく姿は、人が子どもから大人になる様な人間らしいさがあったし、初めて見たものに対する感受性の豊かさは、観ているこちらも作品の中に入り込ませてくれる。
また、何故彼女にはあれだけの力があるのか?彼女がスクラップになるまでのバックグラウンドはあくまでぼかす程度で、彼女の生い立ちではなく、自分の強さを持って過酷な現実と向き合う姿を真髄に描いていました。
アクションシーンも彼女のポテンシャルを遺憾無く発揮していて、モーターボールのシーンは360°滑らかに動くカメラワークが気持ちよかったし、戦闘も彼女のしなやかやを活かした強くもあり女性らしさもしっかりある戦闘でした。
誰にも負けない強さを授かったはずなのに、その強さを持ってしても守れないものがあるんだという強くありながらも、どこかしら無力さを感じさせるアリータを見ると、上と下で隔てたあの世界の無慈悲さも同時に感じました。
原作は一切知りませんでしたが、久々に面白い見応えのある作品を観たなと思いました。