キネマ寸評

アリータ:バトル・エンジェルのキネマ寸評のレビュー・感想・評価

4.0
2年ぶりに映画館に行ったので記念にレビュー書きます。久々の、IMAXと映画館でした。


銃夢の原作エッセンスをうまく使い、コミックの魔角編とユーゴ編を超短縮して合体、若干モーターボール編を入れた感じでした。

色々設定違いはあるが、原作のあのシーンが随所に映像化されていて、ファンとしては嬉しいし、アクションはIMAX 3Dだと迫力があり、特にモーターボールの再現性は凄い。その通り、という描写だった。銃夢に出てくるどこかアナログなロボット的サイボーグがガチャガチャとしてうまく実写化されていている。
鉄クズ町は原作以上に描写されていた。かなり住めそうなまともな町。

魔角はどうやって出てくるのか気になったが、グリューシュカという新キャラになってインパクトが下がった。しかもそれがジャッキー・アール・ヘイリーなのに最後まで気づかなかった。ベクターも雰囲気良くて、エド・スクレインのザパンもかっこよかった。ジェフ・フェイヒーが老ハンターで渋かった。ユーゴが原作より大人びてるが、自分のことしか考えてなくてあんなにガリィに夢中じゃないんだよな、ほんとは…。
間違い探ししてもしょうがないのだが、このようにまとめられるのはある程度しょうがないとして、実写化の話出てからものすごい待たされたので、木城先生の感想同様万感の思いでした。

続編あると思うが楽しみ。

ネタバレーーーーーーー
大きく違う設定は、デスティ・ノヴァの扱い。原作では天才狂人なのに、本作ではなんか企んでるリッチマンな感じ。人体と脳みそ、精神の果てを語れるのは狂人たるノヴァの役目であり原作を体現する要なのだが、そこが残念。

原作でも重要な機械に精神が宿るのか、脳みそに存在するのか、という重要なテーマが映画全体的に希薄になり、ストーリーの重みがアクションにとられてしまった。ちゃんと続編ではアイデンティティの崩壊を扱ってほしい。

あとは新ガリィがどうなのか、だが、僕はちょっと苦手。目がやっぱりデカすぎる。火星人の系譜にしようとしているようだが、原作オマージュだけでなく、火星=リトルグレイの目でかいにも言及してるようである。アバターは種類の違う生き物だから見てられたが、今回は人間なんでなんとも。

それでもでも娯楽作としてなかなか良かった。
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