MasaichiYaguchi

メイズ・ランナー:最期の迷宮のMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

3.5
前作が正に〝迷路〟に嵌って、シリーズが何方に向かうのか危惧されたが、この完結編では〝迷走〟することなく、何を描きたいのかがストレートに伝わり、スケール大きいパワフルなアクションや主人公トーマスを中心とした仲間との絆もあって胸アツになる。
回り回って元に戻るではないが、完結編では囚われた仲間のミンホを奪還する為、彼らに〝メイズ〟を課した諸悪の根源、秘密組織WCKDの要塞化した本部に潜入する。
前二作でトーマス、ニュート、ミンホ、ブレンダ、フライパン等の若者たちに求められた〝役割〟は明かされたが、本作では〝具体的〟にそれが〝披露〟される。
終盤では、仲間の〝救出〟か世界を救う〝役割〟かという選択のジレンマも描かれ、そのことによって前二作での意外な裏切りの背景がうっすらと見えてくる。
そのようなエモーショナルな要素を交えながら、斬新でスピード感溢れるアクションと手に汗握るスリリングなストーリーが怒涛の如く繰り広げられていく。
そして、今迄の展開とは対照的な温もりと切なさが交じるラストが余韻を残します。