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メイズ・ランナー:最期の迷宮のJIZEのレビュー・感想・評価

3.7
秘密組織WCKDにより拉致された仲間を救いだすため難攻不落の要塞都市(メイズ)へ若者たちがふたたび逆侵入する反撃を描いたシリーズ第3弾の完結編‼冒頭で大陸を疾走する横断列車をトラックで追撃し巨大ヘリによって一車両の奪還に成功する作品の掴みは本来のシリーズである持ち味が軽快に発揮され先の展開を期待させる場面だった。今回のメインテーマが主に捕らわれた"仲間の奪還"。ただシリーズ1作目からのダンジョンを攻略する迷路要素は完結編にしてほぼない。敵陣がかまえる巨大な近未来を連想させる街を背景にしたフィールドのドでかさや仲間が中々減っていかないシナリオの鈍さなどとにかく全体のテンポが悪い印象を受けました。また本作はシリーズの完結編としてこれまでの布石をすべて収束しにかかっているせいか不本意な畳み掛けが各シーン毎に垣間見えてしまうのも減点要素でストーリーそのものが薄い。おもに親友との決別や転調要素があるはあるも想定内でほぼぜんぶが元の鞘におさまっているだけなので冒頭をのぞけば新展開やアクションでも興奮を覚える魅せ場が少なかったです。中盤,ニュートのくだりやテレサとのやりとりなどアツくなる箇所も一応は用意されてるがシリーズのファンであれば包括的に完成度が薄く感じてしまう。それこそ前作のパート2から約3年が経過してる事もあり製作段階でのゴタゴタがやや本編に響いてしまっている感じも拭い切れない。ご愛敬で観る分では有終の美を飾るシリーズの完結編として巨大迷宮を生き抜いた若者たちの命運を最後まで見届けてみてはどうだろうか。
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