B姐さん

メリー・ポピンズ リターンズのB姐さんのレビュー・感想・評価

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演出、主題、作劇とど直球で正攻法な古典的アプローチ。もう開巻からタイトルクレジットが出た瞬間、この世界に没入できた。
スコア、チューン全てがよく、オマージュも品がある。三人の子どたち(女の子のキュートさ!)がお父さん(ベン・ウイショー)を励ますために歌うところ、終盤の点灯夫たちの自転車走行で思わず感涙。これでもか、というぐらいオリジナルと対比させてくる。正直言うとオリジナルにピンとこなかった私だが、今作は思わず感動してしまった。台詞から歌に自然と移行する、といったミュージカルの「基本のき」であり「キモ」をまさかロブ・マーシャルの映画で再認識させられるとは思わなかったよ。

まあたしかに「キラーチューン」はない。「チム・チム・チェリー」もなければ「お砂糖ひとさじで」も「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」もない。思わず口ずさむ歌がない。
でも、このクソみたいな世界でクソみたいな灰色の日にこの映画に出会ったら、テクニカラールックの多幸感の海に溺れること間違いない。

@TOHOシネマズ新宿
B姐さん

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