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ベロニカとの記憶のkazuのレビュー・感想・評価

ベロニカとの記憶(2017年製作の映画)
3.6
序盤はあんまり楽しめなくて、中盤以降から感情移入できました。

老夫婦が大学時代の記憶を元に会話する。大学時代と現在を交互に見せていく手法。話の構成は「ノクターナルアニマルズ」に似ている。

大学時代、恋愛関係にあった女性。現在から振り返ると、あのとき彼女の真意がなんだったのか、幾分にも解釈ができる。クラスメイトの歴史観も当時はなんとなく聴いていただけだったけど、今振り返るとその人の人物像が掴めてくる。

記憶というものはその人の好きなように作り変えられるもので、実際あったことがあまりにも受けられられないと歪んで記憶される。そのことを利用した面白いストーリーだった。

後半、主人公が男性としてダメに思えてくるから主人公には感情移入できなくなってくるけど、映画としてはどんどん面白くなってくる。

最後の主人公がどんな過程を経て現在に至ったのかを説明するセリフは心に響いた。人を形作るのは、様々な経験があるからで、生きている年数が長いとそれだけ重みも増してくる。味わい深い映画でした。
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