ベロニカとの記憶の作品情報・感想・評価・動画配信

「ベロニカとの記憶」に投稿された感想・評価

odyss

odyssの感想・評価

2.5
【なぜこの映画は分かりにくいのか】

分かりにくい映画でした。
一見すると、ラストのあたりで障害者に付きそう保護司の言葉、およびその後主人公が説明的に娘に語る言葉で謎解きは終わったかに見えるのですが、そこで問題が解決するわけではないからです。(この映画のテーマは、主人公の記憶違いなどではなく、ベロニカをめぐる家族関係だと私は思います。)

この映画のポイントは、老いた主人公が過去を回想して、かつて付き合っていたベロニカという若い女性と自分の関係の真実はどこにあるのかを突き止めていくところにあります。むかし、主人公を裏切って主人公の友人エイドリアンと付き合い始めたベロニカ。主人公は、その時に悪口雑言を書き連ねた手紙をエイドリアンに送る。

そして長い時間をへて、老いた主人公は、エイドリアンそっくりの青年と老いたベロニカが一緒にいるのを見て、そして青年がエイリアンという名であることを知って、てっきり青年が友人エイドリアンとベロニカの間に生まれた子供であると思い込むのですが、実は・・・

「実は」どうであったかは、なるほど、分かるようになっています。でも、それって言葉だけの解決なんですよね。

じゃあ、ベロニカはこのことをどう思っているのか、友人エイドリアンはどういう経緯で自分の子供をベロニカとの間にではなく、・・・との間に作る羽目になったのか――その辺が全然見えてきません。いや、・・・は、かつて若い主人公にもモーションをかけているから、まあ分かるんですけど。

つまり、この映画でいちばんのポイントになる人物は、主人公でもなければベロニカでもなく、むろんエイドリアンでもなくて、・・・でしょう。ところがこの肝心要の人物が、この映画ではろくに描写されていないんです。

老いたベロニカの態度も不可解。彼女が日記を焼き捨てたのは、単にエイドリアン一世(?)のプライヴァシーの保護のためではないでしょう。自分と・・・との関係、および母・・・とエイドリアンとの関係が他人の目にさらされるのが嫌だからだろうと思う。ところが・・・はエイドリアン一世の日記を主人公に遺言で残しているんですよね。それは、知られたいという欲求でしょう。

私は、知られたいという欲望と、知られたくないという欲望は、立場としては同等だと思います。

また、そこから見えてくるのは、親と子の葛藤じゃないのかな。ところがこの映画ではその辺を突き詰めない、どころか全然触れていない。単に主人公が無神経男だから、というので片付けてしまう。でも、ベロニカが・・・との関係でどんなに苦しんだにせよ、主人公に分からなかったのは仕方がないことだと私は思う。むしろ、説明もせずに(本当に、この映画での彼女は説明をまったくしない人なんですよね)かつての恋人に軽蔑の表情を浮かべるベロニカのほうが身勝手に見えます。

というわけで、一見すると問題解決のようではありますけど、実際はわけが分からない映画じゃないかと思いました。
ゆうゆ

ゆうゆの感想・評価

3.8

これがもし ベロニカの視点の物語だったなら
この作品のカラーは大きく異なっていただろう。
主人公の彼も幼く可愛く そして軽薄に映って
いて、彼女のある時点から 世界は大きく辛辣な
ものへと変わっていたのかもしれない

主人公トニーの 若かりし頃の鬱憤を軽い
気持ちで吐き出した闇にそっと蓋をし
都合よく塗り替えられた過去の記憶

ある出来事をきっかけに瑞々しくも
苦い初恋と青春の記憶が色鮮やかに
蘇ったとき やがて主人公が辿り着く
驚きの真実

過去の出来事は起きてしまった歴史として
ただそこにあるのみ、
真実は 本人にしか分からないものなのだと
あの時 友人の彼は言った

友人の苦悩 ベロニカの悲しみ、
ふたりに関わる当事者の人生は
そこにあった事実として 歴史の重みのように
私たちの想像を膨らませる


彼の苦い青春を垣間見るように観ていたら
途中から サスペンス味漂うドキドキな展開。

老後の主人公達の面影を纏った 美しく
若いふたりの瑞々しさ、多くを語らない
ミステリアスなシャーロットさんも
どこか独りよがりで憎めない主人公の
おじさんも見事なハマり役



以外ネタバレ??


割と序盤からキーパーソンが見え隠れ…
というか、甘い香りと共にぷんぷん匂ってて
まさかね~ と思ってたら そのまさかだった🫢


2022-227
ああ、ジジイは過去の想い出に
生きるとなると、胸が痛い。
若い頃の胸の痛みは恋愛だったのに
憂歌団の♪胸が痛いのフレーズが
浮かんだ。古いなあ
ナルシスト爺さんが語る、自分に都合のいい思い出話映画。
正直、この爺さんの自己中偏屈ぶりが最後まで癪に障り、全然楽しめませんでした。
シャーロット・ランプリング演じる現在のベロニカの気品に満ちた老婦人っぷりに+0.5点。
はる

はるの感想・評価

3.0
★1862作品目
☆2022年︰777作品目

原作「終わりの感覚(The Sense of an Ending)」

面白かったけど、
日記の内容が気になりすぎて…
あと、ベロニカの「その後」って教えてたっけ?
「あなたには想像できないわ」
の一言で教えたとは違うよな。
とモヤモヤが残る。

これハッピーエンドみたいに描かれてるけど、
主人公目線でしか無いよね。
主人公の性格の悪さは出てるもんな、
郵便配達員にそっけなかったり
騒いでる子供に怒鳴ったり…
そんなんだから
「こんな過去は謝罪して水に流して、新しい人生を生きよう」的なお気楽ラストになっちゃった。

でもだからと言って
「こういうラストが良かった」
っていうアイデアも思い付かないんだよなぁ。
ってことはこれが正しいのか…?

自己防衛の為に記憶を書き換える。
虐められたら何十年も覚えてるけど、虐めた側は覚えてない。
これは自己防衛か?

実際に今のベロニカと会うのは半分過ぎた位から。
みーる

みーるの感想・評価

3.5
あらすじ読んでから観たけど、全然想像できない方向に落ち着いた。
ちょっと精神的に観るのがしんどいラストだったけど、ミステリー、ドラマとしても秀逸な良作でした。
ちくわ

ちくわの感想・評価

3.1

このレビューはネタバレを含みます

主人公とベロニカ、その友人との関係性が薄い描かれ方なせいか、主人公があの年齢になってからベロニカに執着する理由が見えにくいかなー。
見てる側をモヤモヤさせっぱなしで、キレイなフリした着地でごまかした感w

妙な色気を出す毒母親のせいでかわいそうなベロニカ。
そして若い男の子の若さゆえの愚かさw

しっかし若気の至りとはいえ、意地悪い手紙だねw
記憶って当然自分中心だから、自分にとって良い記憶はより良く、悪い記憶はまあまあ悪く残ってたり、まあ、都合が良すぎてあてにならないw


イギリス映画にはダウントンアビーファミリーが1人以上はでてる気がするなw
初老の男性に、弁護士から、大学時代のガールフレンドの母親からの遺産相続の連絡が届く。
正直に言うと、彼女とも言えなかった人の母からなので、今頃なぜ?と、弁護士事務所に問合せると、その遺産というのは、どうやら学生時代に自殺した親友の日記である事が分かる…と、小品なんだけど、結構上質なミステリーになっています。

主人公トニーには、若気の至りの痛い過去があるので、この連絡はかなりドキッとしたでしょうね。
それで、調べたくて仕方なくなってくる。
結局、心の奥底に棘の様に刺さっていた親友の死の原因が、人生の終盤になって分かり、スッキリしたのでは。

トニーは今は離婚して男やもめですが、分かれた妻や娘とは良質な関係を気付いています。
こういう家族もいいな、と思いました。
umakoron

umakoronの感想・評価

3.4
小説を読む
その感覚に近い作品

初恋は
永遠と記憶に残り
思い出もまた美化される

男と女
同じものを見ているはずなのに
感性のずれが滑稽

静かなフィルムだが
なかなか奥深い
Finn

Finnの感想・評価

3.5
一通の手紙から、消し去っていた記憶が蘇る…。
ブッカー賞を受賞した同名小説(The Sense of An Ending 終わりの感覚)の映画化。

ハッキリとした答えが出ないから、どんでん返しとは言わないけど、徐々にこの作品の核心が分かっていく展開は面白かった。過去と現在が交差するのと、一つの場面が何度も出てきたりするから、理解するのがちょっと難しいかも。

ジム・ブロードベントのお芝居が良かったです。ジムが偏屈爺さん演じてるのたまに観るけど、毎回ハマってるんだよね、なんか憎めなくて可愛いお爺ちゃん。
ダウントン・アビーでおなじみのミシェル・ドッカリーと良いコンビだった!

年取ると記憶を都合良く書き換えちゃってることはあるけど、この作品の場合は罪悪感から無意識のうちに、でも意図的に正しい記憶を封印したのかな?と思った。
ベロニカや母親のサラがどんな人生を送ってきたのか…そしてエイドリアンの日記には何が書いてあるのか…気になる。

最後あっさり改心して、みんなに謝罪して良い人になったのはちょっと違和感あったけど、孫も生まれたし、素直に応援したいなと思った。

作中に出てくる「グラグラ橋(wobbly bridge)」はロンドンのテート・モダンからセント・ポール大聖堂を繋ぐ吊り橋で、ハリポタにも登場してる観光名所のミレニアム・ブリッジ。
今はあんまり揺れないって言うけど、個人的には他の人がドスドス歩くと少し揺れを感じました。

前半で出てくる"Not my cup of tea"という表現、私も良く使うめちゃくちゃイギリスらしい表現!直訳すると「私のお茶じゃない」だけど、この意味は「好みに合わない、好きじゃない、趣味じゃない」。紅茶が好きなイギリス人らしいお洒落なイディオムなのでオススメです。

イギリスの懐かしい風景と相まって、1人ノスタルジーに浸っちゃった。
あの手紙や日記について、答えのない考察を人と話したくなる作品です。
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