丁寧なミステリー。
90歳のおじいちゃんが戦時中家族を殺したナチスへの復讐の旅に出ます。
容疑者は4人。
しかし重度な認知症を煩う主人公、寝るたび記憶がリセットしてしまいます。
そのためなぜ旅をしているのかと、容疑者の名前を記した手紙を持ち歩いています。
手紙にばかり気を取られてラストは見事に驚かされました。
手紙に気を逸らしたタイトルは逸材だと思います。
クリストファー・プラマーの老いた演技がとても上手でヨボヨボと頑張るおじいちゃんの不安定さに、ゴツい銃を隠し持ち目的を果たそうとするスリリングさが加わって途切れない妙な緊張感がすごい。
例えるなら棒渡りをしている赤ん坊を見ているようなハラハラ感。
それにしても認知症は大変だなぁ。
高齢者をもっと大切に扱おうとも思わされた映画でもありました。
あまり詳しいあらすじを見ずに鑑賞してスパッと騙されて下さい。