平田一

親愛なるきみへの平田一のレビュー・感想・評価

親愛なるきみへ(2010年製作の映画)
3.8
感傷的な場面のくどさ、9・11が二人の間に陰をともすというのも安直(そもそも特定の大きな事件を絡ませるのは、頂けない)。思った以上に不満は感じた。けれど結構好きではあるし、巷のニコラス・スパークスの映画デビューがこれで良かった。

で、結構恋愛以外の"愛"も感じて、そこが良かった。サヴァナはジョンを愛する以上に、家族に等しい誰かの事を放っておけない"強さ"がある。例えジョンに責められようとも、それを決めたら歩みを止めない絶対的な"意思"さえある。偽悪的な言動さえも覚悟の為ならきっと出来る。だからジョンにあの真相を言わなかったと思うと切ない。けど、そこがサヴァナという女の子の魅力であって、セイフライドもピッタリだった。このヒロインは良いと思う。

逆にジョンは愛に飢えてる、傷だらけの子供であって、時たま彼の言動とかにイラッとするのもちょいちょいあった。だけどサヴァナと再会して、けじめのために起こしたことが、彼のいわゆる人間的な成長としてスゴく良かった。テイタムの出演作はあまり見たことないんだけど、脆さ・一途さ・応える力をちゃんと出しててこれも良かった。

演者が皆良かっただけに、尚更前述部分が残念。とはいえ出てくる人は皆イイ人ばかりで暖かいし、ライバルポジのランディに至っては、ジョンより紳士でスッゴク大人(そこが一番ビックリだった)。
平田一

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