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キセキ あの日のソビトのマのネタバレレビュー・内容・結末

キセキ あの日のソビト(2017年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

GReeeeNの始まりの物語と音楽の力を教えてくれる作品!
 誰もが知るGReeeeNをプロデュースした裏側にメンバーの兄が深く関わっていることに驚いたし、その兄ジンは音楽をしていて自分の元々の夢を諦めて、弟のプロデュースのために尽力していたことに胸を撃たれました。

 ここからは自分の感想で憶測ですが、

HIDEは、兄が音楽をしようとしていて、父親に認められず怒られているところを見てきた影響もあって、父親に「人に必要とされる職に就くべき」という考え方を植え付けられていた状態にあったため、音楽をすることを堂々と皆に公表できず、ライブを観てくれていた彼女にも「趣味程度」と説明していたように感じました。尽力してくれた兄の想いや、GReeeeNのメンバーの想い、自分が歯科医師になると期待してくれている両親の想いがあり葛藤していたのが踏切のシーンや兄のジンとの言い合いのシーンで感じられました。
 兄のジンの心情としても、自分たちのデビューは難しいだろうがどうにか弟の歌を聴いて欲しい、デビューさせてあげたいという気持ちが感じられて、完全なる実話かはわかりませんがとても感動しました。また、弟のHIDEが「GReeeeNをやめる」と言った時も、自分には才能が無いと分かっていたから、弟には才能があるから音楽を続けて成功してほしいという気持ちと、ここまで自分が取り計らって来たのに弟の勝手な発言に苛立ったことと、自分のこれまでの行動が弟の本意ではなく自分勝手にしてしまっていたかもしれないと思い返しているようで複雑な心情になりました。
 また、父親の心情に関しても、自分がこれまで努力して就いた「医者」という職に誇りを持っているし、素晴らしい職ということを認識してしているからこそ、息子にもついてほしいと思う、息子想いな父親であることを感じました。ただ、「医者」という職を誇りに思いすぎてしまって、音楽で生活していくのは社会的に良いことでは無いと思っているのだと思います。しかし最後のシーンで、「GReeeeNのような曲を作りなさい」と言った場面では、息子がGReeeeNであることを知っていてか、そのような発言をしたので、既に息子を認めているが素直に言えずあのような言い方になったのが、父親らしいと思いました。
 最後に、私自身そこまで、音楽というものにパワーや人生の上で重要なものというような認識をしていませんでしたが、音楽を作るまでの苦悩や葛藤、純粋な心、聴いている人に勇気づけたいといったような想いが込められているシーンを見て、歌詞はもちろん、声にもパワーを与え得るものなのだと、この映画で教えられました。
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