コマミー

アリー/ スター誕生のコマミーのレビュー・感想・評価

アリー/ スター誕生(2018年製作の映画)
4.5
【そのままの君でいて】

[ラ・ラ・ランド]を覚えているだろうか。
ジャズピアニストを目指す[男]と女優を目指す[女]の[夢追い物語]である。出会いも、互いの魅力を[認め合うよう]に結ばれていき、音楽を通して、物語が進む。

この作品によく似ている作品がある。それが[スター誕生]である。1934年の公開から、何度もリメイクされている、[音楽映画]の傑作である。
そして、2018年12月。スター誕生の歴史に新たな歴史が刻まれる。それが本作だ。

ベースとなるのが、[1976年版]のスター誕生。是非、[アリー]を観た後に観てほしいのだが、この作品はラ・ラ・ランドと同様、[夢を追い求める者同士]の、数奇な[ラブストーリー]である。

一度は夢を通して[幸せ]を手にするのだが、どこか二人には[捉え方に誤差]が生じ、崩れていってしまう。一方が、夢を手にしたら[おいてけぼり]になる、ミュージシャン同士のカップルに見られる[嫉妬心]を、よく描けていく物語なのだ。

そして一番大事なのが、その人が出会った時よりも、[別人]になっていく事だ。その人がどんどん先にいき、もう一方はどんどん落ちぶれていく。そんな様子を、この映画ではこんな言葉で表現している。

「もう一度、君を見たかった。」

と。この[ジャック]の言葉は一番刺さった気がする。

[ガガやクーパー]の歌声は、もちろん素晴らしかったのだが、一語一語に[ずっしりくるキーワード]がたくさん詰まってる、そんな作品だった。



[そのままの自分]でいることが、何よりも素晴らしい事を、教えてくれた作品だった…。
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