ジャッキーケン

アリー/ スター誕生のジャッキーケンのレビュー・感想・評価

アリー/ スター誕生(2018年製作の映画)
4.6
「ボヘミアンラプソディ」とは違ったアプローチでカタルシスに到達する音楽映画で4度目のリメイクとなる本作では監督は長編1作目であり主要キャストとして名を連ねるブラッドリークーパーでジョンクランシスキーと並ぶマルチな才能を発揮しています。演出面、演技面、双方でブラッドリークーパーが最高のパフォーマンスを発揮しているし主演のレディーガガは流石としか言えないポテンシャルを200%出し切っている。ガガが歌う場面は全て鳥肌総立ちです。
特に代表曲でビルボードにも高ランクに位置する「shallow 」をブラッドリークーパーと並んで歌うシーンの感動はライブエイドを凌ぐレベル

挑戦、栄光、挫折という音楽映画やその他の伝記映画、エンタメ業界を描く映画においてやり尽くされた展開であろう、もちろん4度目のリメイクとならばプロットなんて目に見えているように思えますがどの映画にも被らないオリジナリティを本作は持っている。
口説いくらいドアップで映る顔、ライブエイドとは対照的にとにかくガガ様のパフォーマンスが全身の毛穴で受け止めるくらい近いのは昔の映画には技術的にできない撮影技法で撮っているそうで同じ曲を2度3度流れるがその一つ一つが180度受け取るものが違う。

埋もれていくアリーに手を差し伸べるジャクソンが酒と薬物に溺れていき、対照的にアリーがスターへの階段を上り詰めていく。グラミー賞授賞式で起こる事件は栄光と転落、相反するものが同じ画面上に存在する画面構成の凄さ、悲劇を乗り越えアリーはスターへとなっていく

アリーとジャクソンのラブロマンス、ライブシーン、この二人がどこかで繋がり合うシーンは決まって二人しか映さない
喧嘩シーンの気まずさ、怒り、悲しみ、全ての感情を追体験できる
ライブシーンは物凄く幻想的で引き込まれる。もちろん両者の歌唱力と曲の力も大きいのだが漂うスモーク、眩しく照らされるライト、「shallow 」など生き生きと歌うシーンから粗々しく歌う場面全てに筋が通っていて歌詞にも鳥肌が総立ち

今日みた本作と「シュガーラッシュ2」が映画館納めなのだがここににて大傑作がきたからまた1からベスト10を考えなきゃ