部長

ディストピア パンドラの少女の部長のネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

なんかモヤモヤするラスト。
このモヤモヤは、先生の内面が描かれていないこと、ハッピーエンドなのかなんなのかわからないことに起因する

ゾンビ映画って①世界滅亡、②軍により制圧、③人類の砦に到着、④ワクチン完成って感じのラストが多いと思うんだけど、本作ではゾンビと人間のハーフがゾンビ化の原因の真菌と共生しながら新人類として生存していくという、一寸ひねったハッピーエンドという解釈で良いのかな?

ハッピーエンドという解釈なら、もう少し子供たちは人か否かで先生にも葛藤してほしかった。
博士は人と知りつつも実験体として扱ってきた苦悩を最後に告白したり、軍曹は殊更子どもたちに冷たく対応してきた裏に生き別れた妊娠中の妻がいたことを告白したりして、それぞれ事情があった。

しかし、先生は初めから疑いもなく「子ども大好き」、「籠の鳥になっても先生業ができて本望」という感じで、「いや、それが信念なのはわかるけど、旧人類が滅んでいくことへの葛藤とか、自分が籠の中で死んでいくことへの恐怖とかないの?」と聞きたくなる。

もう少し、先生の信念が固まるまでの過程を見せてほしかった。

それとも、感染した妊婦の腹を食い破って生まれた第2世代もまた、出産時には我が子に食い破られてしまうのか?
だとしたら、出生率は1を超えることはないから、長い目で見ると人類滅亡エンドなのかな?


【以下蛇足】
後は、先生の信念や博士の苦悩に関わるところって、つまりは「ゾンビと人間の線をどこで引くか?」だと思う。

しかし、それこそゾンビ映画ファンなら、みんなしたことがある泥議論なので、もっと掘り下げられたでしょ?

テーマ→人を凶暴化させるウィルスに感染してるのはゾンビか否か?

ゾンビ保守派→ゾンビは生き還った死体であり、「◯日後」はゾンビじゃない。後、走るな!
ゾンビ革新派→死ぬまで待ってたら展開が遅いんだよ。感染即ゾンビ化で走っても良いだろ!

みたいな感じで昔はみんな泥を投げあってたよね?
部長

部長