Tanuki

ディストピア パンドラの少女のTanukiのレビュー・感想・評価

4.3
Netflix。一風変わったゾンビ物で、感染拡大後のディストピアが丁寧に描きこまれている。成り行きで出来上がった凸凹パーティーが疑似家族的な奇妙な絆で結ばれてるっぽいところや、それぞれのキャラクター性、そして希望とも絶望ともとれるラストが良かった

主人公の少女はゾンビウイルス感染患者から生まれた第二世代で、狂暴化せずウイルスと共存できている。彼女を「人類最後の希望」と信じて、救世主になろうとする学者を演じたグレン・クローズがすごく良かった。

あの学者は悪い人じゃないけれど、物事を一面的にしか見れてなかった。不可抗力ではあるけど、自分達の事しか考えていなかった。そしてそのエゴは、メラニーに対して親和的な軍曹や先生にも共通するところが辛い。彼らと主人公の間には、深すぎる種族の溝がある。

あのラストは、先生の涙に象徴されるように、人類にとっては「バッドエンド」でしかないんですけど、感想で「最後はハッピーエンドで良かった」って書いてる人がいて、ゾンビ側の人が書いてんのかと思った

あのラストは「逆転」ってことですよね…

あと、『ジョジョ・ラビット』のサム・ロックウェルが好きな人は、この映画に出てくる軍曹好きだと思う
Tanuki

Tanuki