惣右衛門

21世紀の資本の惣右衛門のレビュー・感想・評価

21世紀の資本(2017年製作の映画)
4.5
学者が監修した映画という時点でもう興味深い。
主題が今まであまり触れたことのない経済だったので一時的してウィキペディアで調べたり、何回も巻き戻して確認しながら鑑賞。

ピケティの「投資の利益率が経済の成長率を上回るため資本主義は格差を広げる」と言う主張を歴史を遡って昔の映像やその時を題材にした映画やアニメの作品を交えて軽快に説明しているので飽きずに見れました。
印象に残ったシーンは中産階級の重要性のところ。中産階級は教育水準も高く社会参加を求めると言われていたが日本の場合はどうなんだろうか。
「今の世代はババを引かされている」と言うのはまさにその通り。
作品中の心理学者は生まれた時から恵まれた環境にいてエリートになる人はその成功を自分の能力のおかげだと解釈し、態度がでかくなるという研究結果をボードゲームのモノポリーを用いた実験とともに紹介。
政治家は格差を利用してポピュリズム的に人に人を扇動する例も今までの歴史を通して確認されており(ヒトラー、レーガンなど)、それらの政策は結果的にさらに格差を拡大するとも知らずにその政権を選び、現在もそのような潮流は随所に見られる。
さあ果たして日本は。この資本主義ディストピアをどう生きようか。
惣右衛門

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