まきごん

21世紀の資本のまきごんのレビュー・感想・評価

21世紀の資本(2017年製作の映画)
3.8
18世紀後半の産業革命以後、一部の資本家に資産が集まり労働者は搾取され続けた。それが故に、共産主義が台頭し「20世紀最大の実験」とまで謳われたが、ソ連式共産主義は瓦解した。そこで、再び資本主義が覇権を獲るわけたが、今世紀に入って以後、行き過ぎた資本主義が格差を冗長し誰も手をつけることができない状態になっている。つまり、人類の経済の歴史は常に格差との戦いであり、これを許容すれば正当な競争原理が機能しなくなるまでに格差が冗長され、逆に社会民主主義的な政策をとるとその国の国際的な地位が低下すると説いている。
私見を述べると、映画の終盤にピケティは「民主主義的な方法で資本主義を乗り越え21世紀を進むことが重要」と述べているが、今まで西側諸国が盲信してきた「民主主義的資本主義」がこの先、中国に対して通用するかは微妙だと思っている。いわゆる、「中国の特色ある社会主義」は米国や英仏がかつて対峙してきたナチスドイツ、ソ連の政策に比べてはるかに合理的な政策だと感じる。その「中国の特色ある社会主義」が当の中国人にとってどれ程、格差社会を是正し、市場原理を機能させうるものになるかは現時点では何とも言えないし、自分自身勉強しなければいけないところ...。
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