Jeffrey

魂を救え!のJeffreyのレビュー・感想・評価

魂を救え!(1992年製作の映画)
2.8
‪「魂を救え!」‬

‪冒頭、外交官の父。
旧西独からパリへと向かう。法医学研修生のマチアス。税関で身柄を拘束、後に釈放、スーツケース、パーティ、共同生活、部屋探し、音楽教室、ロシアの情報や、解体。

そして今、白いガーゼに包まれたミイラ化した人間の頭部が発見される…

本作はアルノー・デプレシャンの冷戦末期のパリを舞台に研修生を悩ませるミステリアスな政治サスペンスを描いた青春エンターテイメントで、92年カンヌ国際映画祭コンペティション部門に正式出品された映画だ。

この度、初鑑賞したが140分間の中に学生の日常と政治性、青春を切り取った秀作だ。

これが長編第一作目にあたる作品で、冒頭から不穏な空気で始まる。よくもまぁ長編デビュー作でこんな題材の作品を撮ったな。

正直退屈でたまらなかったが若い世代の人間がこのような政治的な映画を最初に持ってくるのに関しては凄いと思えるし、完成度は中々のものだった。

まず、リッペントロープ=モロトフを彷仏とさせる第二次大戦の闇の外交駆け引きの裏話を語る場面から始まり、後の東西冷戦の国家間のエゴイズムの波に押され、日常生活を壊されてゆく1人の青年の姿を淡々と映していく。

物語は外交官の息子で法医学研修生のマチアスが旧西ドイツの首都からパリへと戻るところから始まる。

彼は列車の中で検税を受け、怪しい包みをパリまで持ち帰る事になる。その中身はミイラ化した人間の頭部である。その人物の謎を突き止めたいと言う衝動にかられたマチアスは集中的に調べ、東西冷戦の政治の泥沼への足を運んで行く…と簡単に説明するとこんな感じで、

この監督一応日本に来日していたらしい。

この映画で良かったのはスパイ映画のようである事と主人公の青年を演じたサランジェと姉マリー役のドニクールと姉の友人ナタリー役のドレヴィルの芝居だろう。

本作は生まれた年に製作された91年の作品で、この時代は王道のラブロマンスや馬鹿騒ぎする青春映画が大量生産されたが、本作はその王道を蹴散らし政治と恋愛と青春を融合させた風変わりな1本だ。

まず主人公の父が外交官と言う設定はあまりにもミステリーを助長するし、徐々に追い込まれていく主人公の姿が見ていて滑稽だった。

この監督、非常に好き嫌いが分かれそうだが、本作は突然巻き込まれた国際スパイを謎解きスリルを与えた秀作だと思う。‬


‪を救え!との題名を理解した。‬
Jeffrey

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